更新日:2023年3月14日|公開日:2023年3月10日

たくさん練習を積んで、発表などで成功する。

それでも「苦手意識を克服できない」と感じる人もいらっしゃいます。

その多くは、発表のたびに「膨大な努力量」で、苦手をカバーされているのです。

例えば以下のような例です。


  • ・何を話すかがそもそも決まりづらい
  • ・原稿を作るのに時間が掛かる
  • ・言いたことが頭で渦巻いて整理できない
  • ・失敗が怖いので、忙しくても時間をかけて練習する
  • ・本番前はずっと話す内容を頭の中で繰り返す

これらは、程度の差はあるかもしれませんが、時間を費やした相当な努力量になることがあります。

実は、「なぜこうなるのか」という根本が分かると、適切な対策に繋がります。
以降で、詳しくご紹介しています。

情報整理で効率化

まず考えたいのは、もともと情報整理をしづらい思考の習慣が隠れていること。

様々な思考を漠然と抱え込む。そのため、話の選定や、原稿作成の時間、思考の整理、これらが苦手になってきます。

対策として必要なのが「情報整理」。情報を分類し、何を軸に話を組み立てるのかを、スムーズに決める作業のことです。

実は、講師である私自身も、もともとは情報整理が苦手でした。

そのため、各種の原稿作成や番組のキャッチコピー考案に、相当に時間が掛かっていました。

それでも、情報整理の感覚が身につくと、仕上がるまでの時間と考える負担を減らせて楽になったものです。

時間をかけずに、原稿が自分に馴染む工夫

「時間をかけて練習せざるを得ない」という場合、そもそも盛り込む情報に問題があります。

「認知的負荷」という概念がありますが、人間は作業記憶で処理できる量に限界があります。

話を覚える際や、思い出す際は、この作業記憶を使用することがあります。

そのため、ポイントが分岐した「短い話をたくさん詰め込んだ」内容は、覚える、思い出すが大変になると考えられます。

ポイントを絞って、じっくり長く語る分には、認知的負荷も軽減されるようです。

失敗への恐れを減らすには

「本番前にずっと予行練習する」のは、自分に自信がなく、偶然の失敗すら恐れてしまうから。

「自分が何かやらかしそう、うっかりミスをするのではないか」と、どことなく感じる。

そうした潜在的な懸念がある場合、なおさら本番で恥をかくまいと練習を続けたくなってしまいます。

この点は、自分自身の性質を深く理解し、適した練習法を学ぶことで、必要以上の努力をしなくて済みます。

当会でも、そうした技術と心理の両面で、皆様のサポートを続けています。

執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
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