更新日:2022年9月12日|公開日:2019年2月7日

自分の言葉とは

ビジネスの現場で、以下のようなセリフを聞くことがあります。

「自分の言葉で語らないと、相手には響かないよ」

この「自分の言葉」とは何なのか。

対になるのは「借り物の言葉」であり、そのニュアンスを比較してみます。



借り物の言葉

言葉や情報の「表面的な意味」だけを理解している状態。
芯から理解していないので、適切に使うことや、言い換えることが困難。

自分の言葉

言葉や情報を「意味」「使われ方」などから多角的に検証し、深く理解した状態。そのため、適切に使うことや、分かりやすく言い換えることが可能。


例えば、DX(デジタル トランスフォーメーション)という言葉がありますが、これは直訳すると、「デジタル」で「変革」。
これだけだと、表面的な理解に留まります。

例えば「デジタライゼーション(業務の部分的なデジタル化)」と比較すると、DXはビジネスモデルなどを根底から変えること。 
つまり、「デジタル技術でビジネスの仕組みを丸ごと変える」といったニュアンスで使われます。

このように考察することで、DXという言葉のイメージを掴めます。


そもそも、言葉とは誰かが考えたものなので、「その多くは借り物に過ぎない」と解釈できます。

借りた道具に過ぎないからこそ、自分が使いこなせるよう、立ち止まって考えること。

そのうちに道具についての理解が深まり、自分の手足のように使える。

それが「借り物感」を脱却できた状態(=「自分の言葉」を使えている状態)です。

「自分の言葉」は、なぜ必要なのか

ポイント

・物事の理解が深まり、他人にわかりやすく話せる

・周囲の信頼感や安心感につながる

前項で紹介したように、言葉や情報のイメージを深く掴んだり、わかりやすく言い換えたりできるのが「自分の言葉」にできているということ。

わかりやすさから、自分と周囲との間に、円滑なコミュニケーションが生まれます。

また、「情報をよく理解してくれる」「要点をわかりやすく語ってくれる」という周囲からの信頼感にも繋がることがあります。

自分の言葉を磨くには

ポイント

・言葉や情報を見聞きしたら、「つまり、どういうこと?」を考える

・アウトプットの機会を増やす

・あとから、「よく伝わったか」を振り返る

言葉や情報を見聞きしたら、「つまり、どういうこと?」を考える

インプットにひと工夫がコツ

自分の言葉を磨くために、本を読むことなどは、あまり重要ではありません。

むしろ、日常で触れる言葉や情報について、その意味や使われ方を掴めること。

さらに、別の言葉で「つまり、どういうこと?」と、表現できるかどうかを検討する。

こうした思考習慣を、日常的な経験の中で磨いた方が、言葉が自分の一部になりやすいです。

アウトプットの機会を増やす

自分の言葉で発信する習慣を持つ

アウトプットの機会を増やすのもお勧めです。

例えば日常において、友人や家族、職場の人に向けて、よりわかりやすい伝え方を工夫する。

本の感想をブログやSNSに書いてみる。

言葉を使うアウトプットの場面を増やして、そこで適切な表現を考えようとする気持ちが大切です。

悩んだり考えたりするほど、言葉が自分になじんでいきます。

あとから、「よく伝わったか」を振り返る

冷静に言葉を点検する習慣はありますか

「自分の言葉」は、創意工夫があっても良いのですが、自己流を突き詰めることではありません。
あくまでも、他人によく伝わることが肝心。

実は、他人の評価を気にする人は、独創性のある表現を選んでしまうことがあります。それよりも優先順位が高いのは、「よく伝わったか」どうかです。
聞き手の反応を観察して、フィードバックを得てみましょう。
あるいは、時間をおいて頭と気分をリセットしてから言葉を見つめ直すのもお勧めです。

客観視するから、より伝わる言葉選びがわかります。
その結果、「使える道具(実用性のある道具)」として自分になじんでいきます。

まとめ

今回、最後にご紹介した、「自分の言葉を磨くポイント」は以下です。

・言葉や情報を見聞きしたら、「つまり、どういうこと?」を考える

・アウトプットの機会を増やす

・あとから、「よく伝わったか」を振り返る

これらは大げさなことではなく、普段の受信や発信に、意識的に取り組むことでもあります。

言葉や情報を深く掴み、相手にわかる表現に変えて伝えられること。

それは、人前で話すときの自信にも繋がります。

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執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
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