更新日:2025年9月24日|公開日:2019年2月7日

自分の言葉とは

ビジネスの現場で、以下のようなセリフを聞くことがあります。

「自分の言葉で語らないと、相手には響かないよ」

この「自分の言葉」とは何なのか。

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古垣講師

「自分らしさのある、独創的な伝え方」という意味ではないのです。

「自分の言葉」と対になるのは「借り物の言葉」であり、そのニュアンスを比較してみます。



借り物の言葉

言葉や情報を、深く理解せずに話の中で用いること。言葉や情報の「理解」が表面的なものに留まり、「適切なニュアンスで使うこと」や「相手の理解度に合わせて言い換えること」が難しい。

自分の言葉

言葉や情報を「意味」「使われ方」などから多角的に深く理解した上で、話の中で使える状態
「適切なニュアンスで使うこと」「相手の理解度に合わせて言い換えること」が可能。

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古垣講師

まず、「言葉」や「伝えたい情報」を深く理解しているかが、「自分の言葉で話す」ことの土台になります。


例えば、DX(デジタル トランスフォーメーション)という言葉がありますが、これは直訳すると、「デジタル」「変革」
これだけだと、表面的な理解に留まります。

そこで他の角度からも、意味を検証してみます。

例えば、似た表現である「デジタライゼーション」は「業務の部分的なデジタル化」を指します。

比較すると、DXは「デジタル技術でビジネスの仕組みを丸ごと変える」といったニュアンスで使われます。

このように考察することで、DXという言葉を、深く理解できます。

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古垣講師

そもそも、言葉は他人が考えたものなので、「その多くは借り物に過ぎない」という解釈もできます。

借りた道具に過ぎないからこそ、自分が想定しない機能が潜んでいることがあります。

そんなときに、「理解を深めれば、道具に精通できる」ように、言葉についても理解するほどに、ニュアンスや扱い方が分かっていきます。

それが「借り物感」を脱却できた状態(=「自分の言葉」を使えている状態)です。

「自分の言葉」は、なぜ必要なのか

ポイント

・物事の理解が深まり、他人にわかりやすく話せる

・周囲の信頼感や安心感につながる

前項で紹介したように、言葉や情報のイメージを深く掴んだり、わかりやすく言い換えたりできるのが「自分の言葉」にできているということ。

わかりやすさから、自分と周囲との間に、円滑なコミュニケーションが生まれます。

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「この人なら、説明を任せても大丈夫」という周囲の信頼感にも繋がりやすいです。

自分の言葉を磨くには

ポイント

・言葉や情報を見聞きしたら、「つまり、どういうこと?」を考える

・アウトプットの機会を増やす

・あとから、「よく伝わったか」を振り返る

言葉や情報を見聞きしたら、「つまり、どういうこと?」を考える

インプットにひと工夫がコツ

自分の言葉を磨くために、本を読むことなどは、あまり重要ではありません。

むしろ、日常で触れる言葉や情報について、その意味や使われ方を深く理解すること。

さらに、別の言葉で「つまり、どういうこと?」と、表現できるかどうかを検討してみましょう。

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古垣講師

「つまり、どういうこと?」と言い換えることで、意味と深く向き合いやすくなります。

アウトプットの機会を増やす

自分の言葉で発信する習慣を持つ

アウトプットの機会を増やすのもお勧めです。

例えば日常において、

友人や家族、職場の人に向けて、よりわかりやすい伝え方を工夫する。

本の感想をブログやSNSに書いてみる。

このように、言葉を使う場面を増やして、そこで適切な表現を考えようとする気持ちが大切です。

表現の仕方を悩んだり考えたりするほどに、言葉が自分になじんで「借り物の言葉」から抜け出しやすくなります。

あとから、「よく伝わったか」を振り返る

冷静に言葉を点検する習慣はありますか

「自分の言葉」というフレーズは、ときに「自分のオリジナルの表現」を指すのだと誤解させることがあります。

確かに、「わかりやすく言い換える」際は、もともとの言葉を自分なりにアレンジする面もあります。

ただ、あくまでも、「他人が理解しやすいアレンジができる」ことが肝心です。

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古垣講師

独創性のある表現より、「相手のわかりやすさ」を優先することがオススメです。

そのためには、自分なりに言い換えたあとで、聞き手の反応を観察して、フィードバックを得るのも良いと思います。

客観視するから、表現をわかりやすくアレンジしやすくなります。

まとめ

この記事の後半で紹介した、「自分の言葉を磨くポイント」は以下です。

・言葉や情報を見聞きしたら、「つまり、どういうこと?」を考える

・アウトプットの機会を増やす

・あとから、「よく伝わったか」を振り返る

これらは大げさなことではなく、普段の受信や発信に、意識的に取り組むことでもあります。

言葉や情報を深く掴み、相手のわかる表現に変えて伝えられること。

それは、人前で話すときの自信にも繋がります。

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執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
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