当会には、朝礼の1分間スピーチや2分間スピーチ、経営者の朝礼スピーチについてのお悩みが、よく寄せられます。
とくに多いのが「ネタ探しで困る」「自分の話が面白くない、組み立てが分からない」「緊張しやすくて堂々と話せない」といったご相談です。
この記事では、朝礼スピーチ向けに、事前の用意と緊張対策をご紹介します。
ネタ探しのコツ
朝礼スピーチは大きく分けて、「テーマあり」「自由題」の2つの開催方法があります。
それぞれ、ネタ探しのコツをご紹介します。
「テーマあり」の場合
よく、「話しやすいテーマと、そうではないテーマがある」とお悩みをお聞きします。話しづらいテーマの場合は、情報不足。
まずは、ネットや本、奥の手としては「知人」などから情報を集めましょう。そのうちに、お題のテーマと、自分の体験の接点が見つかりやすくなります。
たとえ時間が掛かっても、脳の記憶を掘り起こすように、粘り強く探すことが肝心です。
当会のレッスンでは、短時間で探せる方法もご紹介しています。
「自由題」の場合
自由題のネタ選びには、大きくわけて2種類の方法があります。
- A)自分の外から収集
例)本、インターネット、テレビ、映画、ラジオなど - B)自分の内(経験、思考)から収集
例)仕事や趣味、特技、季節のイベント、休日の過ごし方、家族話、感情を刺激されたことなど
Aの収集法のメリットは、話にボリュームを出しやすく、価値ある話も比較的、作成しやすいことです。
ただし、デメリットは、「情報集めで疲れやすい」こと。世の中の大量の情報から、スピーチに適した材料を探すのが大変なことがしばしばあります。
Bの収集法は、構成に慣れれば「ネタを見つけやすい」ことがメリットです。ただし、自分で情報を一から構成する難しさはあります。ただ、慣れてくると、情報の編集によって、聴衆に楽しんでもらったり、価値ある情報を提供できたり。そんな、楽しさも生まれます。
コツとしては、体験から何を得たか。あるいは、体験から得たことを、仕事や人生にどう生かせるか。そうした視点があると、話に深みが増して、何気ない体験談が聞き甲斐のあるスピーチになります。
話しやすく、聞きやすい「構成感」
よく「起承転結」を意識する人がいますが、もともと漢詩の世界の構成法。
あまりこだわる必要性はありません。
当会では、序論、本論、結論の3部構成をお勧めしています。
3部構成 |
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1.序論・・・話の導入、あるいはメッセージ紹介 |
2.本論・・・具体例と結論への流れ |
3.結論・・メッセージ紹介 |
3部構成のスピーチ構成例 |
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1.序論・・・先月、伊豆を旅行した話をします。 |
2.本論・・・あちこちに足を伸ばしましたが、伊豆で作られた黒ビールを飲んだのですが、これがウマイ。 珍しい味でした・・体験が続く・・ |
3.結論・・ネットの検索では見つからない、思わぬ出会いが旅にある。そんな話をしました |
例えば、本やネットから得た情報は、「調べれば、誰でも分かること」です。その情報だけでは、「ここだから聞けた」というお得感は無いことがあります。しかし、結論として自分なりのメッセージ(所感、意見、提案)が加われば、オリジナルの情報性が生まれます(例えば、仕事にどう生かせるか、など)
また、話の面白さは、ユーモアだけでなく、「具体例」の描写があることで生まれます。
例えば「旅先の空を見ながら、ビールを飲んだ様子」などを描くことで、聴衆は話し手の経験を追体験できます。
なお、当会のレッスンでは、「話を膨らませる方法」「情報整理」「メッセージを生み出す技術」なども磨いて頂けます。
本番で成功率を上げる「練習」
まず、「声に出して練習すること」がお勧めです。声に出すと、書いた内容が「知識」から「経験」に変わります。知識記憶と違って、経験記憶は思い返しやすい情報だと言われています。
ただし、「本の文章などを、長く引用する」と、さすがに自分自身で覚えるのが困難になります。
聴衆も、聞いていて、あまり印象に残りません。「知識の情報」は、記憶しづらい性質があります。
あらかじめ、引用の分量を調整するなど、配慮しておきましょう。
また、オンラインで朝礼スピーチをする場合は、わりと「原稿を見ながら話せる」というシチュエーションの人も多いかもしれません。
その場合も、全体の流れをなんとなく暗記して言える程度は、声を出して練習しておくと、本番の安定感が違います。
また、会社などで話す時は、移動する、一礼をするなど動作もスピーチの一環です。慣れておかないと、本番で自己注目(自意識)が高まり、余計に緊張することがあります。動作もそれとなく、練習しておきましょう。
緊張対策
緊張が激しい場合は心理療法がお勧めですが、ご自身で取り組むなら以下の方法がお勧めです。
1)失敗してもいいので、「大事な部分を伝えたい」という欲を持つ
失敗してもよい。そのときは、メモを見て話そう。というくらいで良いのです。
実際に、朝礼スピーチであれば、聴衆はちょっとした失敗をされても、それほど困るわけではありません(経営者なら、少し話は違いますが)。
完璧主義にならず、むしろ「ここは伝えたい」という話の要所を伝えられるよう、心づもりしておきましょう。
2)時間を決めて練習する
練習をやりすぎると、安全確保行動といって、自分の力を信じずに、極限まで失敗する可能性を消したくなることがあります。
この行為は、知らぬ間に「実際の自分は、人前に立つ力が無い」という不安を高めることがあり、練習をしてもしても、満足しません。
やり続けるのではなく、時間を決めて練習をすること。また、そのためには前項でご紹介した「失敗してもよい」という心構えも大事です。
朝礼スピーチの対策ができるレッスンがあります。
当会のレッスンの一例をご紹介します。
人前での話し方 基礎講座
「自分の体験をもとに、メッセージを定めて話す」コツを、全4回で学べる個別レッスン。
頭の中の情報整理と情報構築の基礎を、スピーチ作りを通して学べます。「構成」や「話の膨らませ方」も、学べるコース。講義は動画で事前視聴、トレーニングは講師とマンツーマンで開催します。
なお、こちらの相談メニューでレッスンの体験受講が可能です。
あがり症改善 自分と向き合う認知行動療法
過去の失敗経験がトラウマとして残る人や、他人の評価が気になる人に、お勧めのコース。
緊張感を起こしやすい思考のクセを見つめ、緊張感を改善していきます。
また、体の震え、声の乱れ、赤面、多汗などの症状を緩和するメンタルワークも行っています。
企業向け スピーチ研修
スピーチ作りを通して、「伝わる言葉選び」や「情報の組み立て方」をレベルアップして頂けます。スピーチの「聴衆を満足させる勘所」は、ビジネスのコツにも通じています。社員の話し方を養成にご活用ください。