他人と比べて何かしら目立ったクセがある場合、自分の気質的な傾向を理解すると、その対策に役立つことがあります。
例えば、以下のような特徴はないでしょうか。
・飽きやすくて移り気
・刺激を求めてしまい、周囲の言動を退屈に感じる
・衝動的な行動が目立って、周囲からの信用を失ってしまう
コミュニケーションのお悩みがあって相談に来る方に、ときどき見受けられる傾向です。
心理学者のマービン・ズッカーマンは、HSS(High Sensation Seeking)という概念を提唱しました。
変化に富んで新奇で複雑、なおかつ激しい感覚刺激を求め、そのためならリスクを背負うことを恐れない傾向のことです。
様々な世界に飛び込んでいく好奇心や行動力があるので、周囲には「活動的」と思われやすいでしょう。
しかし、ルーティンが苦手で、周囲の感じる以上に変化を求めてしまうことや、刺激に依存的になってしまうこともあります。
HSSについてのチェックリストは、以下のサイトで掲載されています。
→High Sensation Seeking Test(別ウィンドウで開きます)
~「あなたは刺激追求型HSP?」というタイトルですが、HSSのセルフチェックができます。各種情報は心理学者 エレイン・アーロン博士が記載。上記の日本語版サイトは博士の許可を得て、久保言史氏が翻訳。~
HSSとまではいかないまでも、刺激を求める傾向がある人は、自分とは異なる周囲のペースや感覚を理解することを私はお勧めしています。
HSSとHSPを併せ持つ場合
HSSだけでなく、非常に敏感なタイプのHSP(Highly Sensitive Person)を兼ね備えた人もいます。
HSP参考:→緊張感につながる要因~気をつかってしまうタイプ
HSSとHSPを兼ね備えている場合、冒険したい気持ちと慎重になる気持ちが同居するのでアクセルとブレーキを同時に踏みこんでいるような感覚だという意見をよく聞きます。
刺激を求める割には、敏感な体質なので、非常に疲れてしまうことがあります。
こうした自分の奥にある、気質的な特性を知ると、長年にわたる悩みが氷解する方がいます。
それが性格のすべてを決めるわけではありませんが、ベースとなっている自分の傾向を知ることで
自分自身の取扱説明書ができて、生き方を工夫していく一歩になります。
相談プログラム:→メタ認知トレーニング
~参考文献~
『敏感過ぎる自分を好きになれる本』長沼睦雄/著(青春出版社)
『敏感過ぎてすぐ「恋」に動揺してしまうあなたへ。』エレイン・アーロン/著(講談社)