更新日:2021年5月16日|公開日:2018年8月9日

報告の基本的なスキルとしては、事実を個人的な意見とは区別して、伝える必要があります。

そうしないと相手が客観的な事実を把握できず、不安を感じるからです。

しかし、仕事の経験を積んでいくと事実の報告だけでは済まず、「事実+メッセージ」の発信が必要なことがあります。

メッセージとは、事実を踏まえて「何を言いたいのか」ということです。

例)プロジェクトの広報
プロジェクトの解説(事実)
      +
社会的な意義(メッセージ)

例)市場調査と提案
分析・調査結果(事実)
      +
提案(メッセージ)

事実を踏まえたメッセージを語れることで、その道のプロとしての信頼感に繋がることがあります。

スピーチ「事実+メッセージ」が基礎になります。

例)スピーチの構造
具体例(事実)
      +
結局、何を伝えたいのか(メッセージ)

スピーチを学ぶことで、事実+メッセージの伝え方に慣れることもできます。


早朝のビル群

かつて、印象的な「事実+メッセージ」を聞いたことがあります。

早朝のテレビ局に着いたときのこと。

清掃スタッフの方が、朝6時ごろに仕事を終えていました。

挨拶をしたあとに私が「お早いですね」と言うと、その方は、

「私たちの仕事は、皆さんが来る前に準備を終えて『スタンバイ』することなんです」

と、さらりと話をされました。


「スタンバイ」とは、収録本番に向けて出演者やスタッフが「準備を済ませる」こと。

モノを知らない私に、「清掃」という仕事の本質を教えて頂いたのだと思います。

こうした言葉にも、「事実+メッセージ」が入っています。


【清掃は、働く人が来る前に準備を終えること(事実)】
       +
【それは、皆さんのための『スタンバイ』だと私は捉えている(メッセ―ジ)】


「事実+メッセージ」は、事実を述べることで客観性を保ちつつ、自分らしいメッセージを伝えるスキルです。

メッセージを生み出すには

スピーチは、事実を例にしながらメッセージを語るので、「事実+メッセージ」の発信を学ぶのに適しています。

会議での発言プレゼンテーションにおける提案など、さまざまなメッセージ性のある話をするための基礎ができます。

そもそも、「人に披露できるだけのアイデアや思考が無くてはいけない」と感じる方もいますが、それは違います。

話し方を指導してきた経験からお伝えすると、発信の練習を先に始めることが大事です。

仕事への考え方などをたやすく言葉にできる人は、早くから想いを言葉にする訓練を積んでいます。

アウトプットする機会があったからこそ、想いをカタチにしようと努力します。

最初は恥をかいてもいいんです。(誰でも通る道です)

拙くても、言葉で自分のメッセージを語り始めてみましょう。

もちろん、何歳から学んでも遅くはありません。
私の師匠は、60歳から話し方を始めた人で、それまでは主婦業をされていました。

ビジネスともそれほど縁がなかった方ですが、60歳から学んで、東京や名古屋で活躍される講師になった人でした。

私自身、その方からたくさんのメッセージを頂きました。
真剣に学ぶと、伝えるべきメッセージを言葉で表現できるスキルが身につきます。

ぜひ、「事実+メッセージ」を語り始めてみましょう。

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執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
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