更新日:2022年1月27日|公開日:2019年8月14日

話し方の世界では、よく『数字を出した方』が良い、と言われます。

あいまいな印象を避け、使い方によっては話の影響力を増すことができるからです。

その「効果」と、意外な「落とし穴」について今回は考えます。

メリット-数字の「具体性」がもたらす効果

ここでは3つの効果や、使い方をご紹介します。

情報のまとまりを伝えられる

例えば面接の場で、「御社を志望した理由は2つです」と最初に語ると、面接官はトピックが2つあるんだな、と話を聞く心構えができます。

「情報のまとまり」がいくつあるかを数字で伝えると、聞き手の頭に設計図のようなものができて、話を聞きやすくなります。


アピールが具体的に伝わる

「この映画で、たくさんの聴衆が泣いた」を、「この映画で、100万人が泣いた」と表現するとどうでしょう。

より、反響の凄さが伝わってきます。

「ビジネスの実績」を表現する際など、数字はよく活用されています。


正確な情報伝達に役立つ

データなどを数字で伝えることで、相手は想像力に影響されず、正確に物事を把握できます。


デメリット-話の中で「数字を乱発」すると問題に

数字を盛り込むことで、聴衆が困ることがあります。

例えば、「スピーチ」で、やたらと数字を盛り込んでしまうケース。

以下の文例をご覧ください。

文例

高尾山は新宿から特急で1時間程度でアクセスできて、標高599m、山麓から1時間40分ほどで登れます。

耳で聞く「話」では、情報を一時的に記憶しながら、理解します。

数字をたくさん出すと、話を覚えるのが大変になって、聞き手の集中力が落ちることがあります。

聞き手の負担を計算しない話し方は、NGです。

この文例で言えば、「標高」は登山好きなら知りたいかもしれませんが・・・。

一般の人に聞かせるなら、さほど大事な数字ではありません。

むしろ、「アクセスする時間」と「何分で登れるか」。

その辺りが、興味のある数字ではないでしょうか。

アレンジすると以下のようになります。

アレンジ例

高尾山は新宿から特急で1時間程度でアクセスできて、山麓から1時間40分ほどで登れる高さです。

とくにスピーチのように、様々な背景を持つ人が聞くような場所では、数字の具体性をどれほど話に盛り込むか、調整が必要です。

また、営業職の人が、一対一でサービスを説明する際も同様です。

数字を乱発しすぎて、聞き手を疲れさせる営業マンをたまにお見かけします。

数字を盛り込むことは、素敵な工夫なのですが、話全体を通してみたら、聞き手を疲れさせる情報量になっていないか。その点をチェックしてみましょう。

数字を語りやすいシチュエーションとは

数字をたくさん盛り込んで話すことが、比較的許される場があります。

例えば、説明会やプレゼンなど、「聞き手がメモをとれる」「数字が書かれた資料が手元にある」状況なら、スピーチとは異なって、聞き手が「話を覚える」必要性が薄れます。

そんなときは、数字をたくさん出しても、聞き手の集中力は落ちにくいでしょう。

もちろん、本当に話す必要性のある数字なのか。

その数字に聞き手がどれほど興味をもつのか。

よく考えておきましょう。

余計な数字は、話のノイズになります。

まとめ

・「数字」を使うことで、話に具体性が加味され、影響力が変わる

・数字を盛り込み過ぎると、聞き手の負荷が増すので注意

(聞き手が話を覚える状況か否か、関心の度合いはどれほどかを考える)


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執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
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