“話が相手に伝わりづらい”
“職場でアイデアを述べても、採用されづらい”
こんなときは、他人から客観的な意見をもらえると、軌道修正しやすくなります。
ただ、そんなに都合よく、アドバイスをくれる人が側にいないことも・・・。
話し方を自らの力で変えていくには、客観視するチカラが必要です。
【客観視することの例】 |
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・相手が理解しやすい言葉づかいか ・情報量はちょうどよいか ・主観に偏った発表になっていないか (事実の確認はできているか) |
今回は、話を客観視するために、役立つ方法をご紹介します。
距離をおくために必要な「外在化」
認知行動療法で「外在化」と言う言葉があります。
「考え」「感情」「体の症状」などを、書き出して客観視する作業のことです。
話し方も同じで、書き出すことで、思考を頭から切り離して客観視しやすくなります。
使うのは、紙でもデジタルツールでも構いません。
頭の中だけで考えるよりも、距離をおいて客観視する作業がずっと楽になります。
さらにアイデアを客観視するためのコツ
話のアイデアを書き出してみると、なんだか思考がモヤモヤしたままで、まとまらないことがあります。
モヤモヤと言うのは悪いことではなく、客観視する過程で味わうものです。
そんな状態から抜け出るには、原稿からいったん意識を離すこと。
少しの時間でも、意識を別のことに向けて頭をクールダウンした方が、アイデアの整理や、客観視がしやすくなります。
昔から親しまれている、「三上」という言葉があります。
「余、平生作る所の文章、多くは三上に在り。乃ち馬上・枕上・厠上なり」
(~欧陽脩「帰田録」~)
文章を生み出すのに適した場面は、「馬に乗っているとき(移動中)」「寝床に入っているとき」「トイレに入っているとき」とのことで、現代人でも共感できる人が多いようです。
考えを書き出したばかりの原稿は、まだ主観が渦巻いているような状況です。
そこから意識を離すと、聞き手が分かりやすい話の整理法や、表現方法が見つかることがあります。
以上のように、原稿からいったん意識を離すのが、より客観視するための方法です。
時間をかけて話を完成できない場合
時間をかけて推敲すると、話の矛盾点などがなんとなく見えてきて、話が完成に至らないことがあります。
そんなときは、いさぎよく別案を考えるのがオススメです。
話は捨てる数が多いほど、成長できます。
面倒に思わずに、客観視に取り組んでみてください。
あるいは途中までしか完成しなかった話は、教室で講師に見せて、完成に至る道筋があるのかを聞いてみるのもお勧めです。推敲するセンスが磨かれます。(ただし、私的な原稿ではなく、教室のお題スピーチに限らせてくださいね)
また、途中までしか完成しなかった話は、ストックにまわしておいても良いでしょう。
数ヶ月や数年後かもしれませんが、いろいろな考えが熟成して話すための素材が育ってくると、途中までつくっていた話が完成することがあります。
メモが難しい状況なら
「三上」とは言っても…就寝時に良いアイデアを思いついても、なかなかメモをすることが難しいものです。
そんなときは、音声で記録しておくことがオススメです。
携帯電話や録音可能な機器を利用されるのもよいでしょう。
練習をつむうちに、原稿と距離をおいて客観視する感覚が身についてきます。
また、客観視の最後の仕上げは、実際に話してみて、相手の反応を知ることなので、お忘れなく。
教室のスピーチ学習では、こんなことを自然と繰り返すようになって、話を客観視するチカラが身についていきます。
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