説明、プレゼンテーションの構成法として、PREP法がよく知られています。
使う際に注意が必要なポイントや、アレンジ法をご紹介しています。
そもそもPREP法とは
話の構成法として、ビジネスの現場などに広まっています。
具体的には以下の流れで、各ブロックの頭文字から、「PREP法」と呼ばれます。
PREP法で語る例 | |
---|---|
Point(結論) | 「構成法は大切です」 |
Reason(理由) | 「相手が話を理解しやすくなるからです」 |
Example(事例) | 「同じ情報を伝える場合でも、構成に配慮すると相手の反応がよくなりました」 |
Point(結論) | 「だから、構成法は大切です」 |
PREP法のメリット
とくに話の「最初」と「最後」は、聞き手の印象に残りやすい箇所。
そのため話の最初にPoint(結論)とReason(理由)を伝えておくと、
「何を言いたいのか」
「根拠は何か」
こうした点が、話の中に埋もれずに相手に伝わります。
しかも、Point(結論)とReason(理由)に沿ったExample(事例)を紹介すれば、無駄なく必要な情報のみを相手に提示できます。
ちなみにPREP法が特に適しているのは、「知識を教える場面」などです。
知識を教える場面の例 |
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「講義」 「プレゼンテーションの要所要所」 「部下への指導」 |
相手からすれば、未知の事柄はとくに
「何がポイントか(=Point)」
「なぜ、そう言えるのか(=Reason)」
を知りたくなります。
PREP法ではその2つを早めに知らせてくれるので、分かりやすい話になります。
PREP法のデメリット
構成法は万能ではないことも。
話し手自身が、その適した使い道を考えることが必要です。
PREP法は良くも悪くも、「押しの強い主張」と聞こえることがあります。
「これを伝えたい」→「だってこういう理由だから」
冒頭で「結論」→「理由」という流れを作ると、あとは自説に従った話が展開されるのみ。
会議やスピーチでは、主張の強さが周囲から浮いて見える場面があるかもしれません。
他にも、デメリットがあります。
スピーチでは「追体験」が大事なポイント。
Example(事例)をしっかり語ると、話し手の見聞きしたこと、そのときの感情が、十分に聴衆に伝わります。
例えば、結婚披露宴では、新郎や新婦の人柄をエピソードで伝えることで、聴衆が話に引き込まれます。
しかし、先にPoint(結論)とReason(理由)を伝えてしまうと、もはや事例はおまけ程度。「内容は予想できるけど、一応話を聞こうか」といった風に、聴衆の関心が薄れることも。
それを察するのか、話し手もPREP法で短い話なら作れるのですが、長い話を作りにくいことがあるようです。
教室でもときどき、「スピーチにPREP法は使えないんですか?」と質問を受けますが、以上の理由からPREP法そのままでは難しい点があると、私は考えています。
PREPをスピーチで使う場合のアレンジ
オススメのアレンジは、PREPの順番を変える方法。
以下は、PREPを逆から並べて、PERPにした流れです。
PERPで構成した話 | |
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Point(結論) | 「挑戦すると自分の力に気づく、という話をします」 |
Example(事例) | 「先日、話し方のレッスンに行ってみたんです。簡単なレッスンのあとですぐに話す実践に。たどたどしいけど、思っていたよりは話せました」 |
Reason(理由) | 「挑戦すると、自分自身への先入観を打ち破れることがあるんです」 |
Point (結論) | 「挑戦すると自分の力に気づく、という話をしました」 |
あるいは、以下のIERPの構成法。
IERPで構成した話 | |
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Introduction(導入) | 「先日、話し方のレッスンで感じたことです」 |
Example(事例) | 「簡単なレッスンのあとですぐに話す実践に。たどたどしいけど、思っていたよりは話せました」 |
Reason(理由) | 「挑戦すると、自分自身への先入観を打ち破れることがあるんです」 |
Point (結論) | 「挑戦すると自分の力に気づく、という話をしました」 |
Introduction(導入)は、最初に簡単な前置きなどしてから、具体例に入ること。
上記はいずれも、冒頭の予定調和感を減らした体裁です。。
押しの強さという個性が消える代わりに、事例をよく味わったあとに、「理由」と「結論」を聞かされて、聞き手には自然な納得感がうまれます。
もちろん、事例を先に出すからといって、無駄な話を延々としていいわけではありません。
適度なボリューム感を考えて、話をしてみましょう。
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