更新日:2024年5月21日|公開日:2019年1月28日

「話が長い気がする」

「この話は頭が一杯になりやすい」

「結局、何を言いたかったの?」

自分が他人の話を聞く場合は、こんな風に批評もできます。

しかし、自分の話を振り返る時は、感度が鈍ります。

・最後まで疲れずに聞ける

・理解のしやすさ

そんな条件を満たした話を用意することが、いかに難しいことか。

訓練しないうちは、「話が伝わっているのではなく、相手が頑張って理解し、最後まで付き合ってくれる」という状態が多いのです。

これは、話だけでなく、書くことも同様です。

私が編集者と一緒に仕事をした際に、自分が書いた文章を見てもらうと「これは、途中から読みたくないね(読み疲れるね)」と言ってもらったことがあります。

私はそれまで書くことに自信があり、組織内外で、ある程度の評価を頂いていました。

しかし、「相手がラクに理解できる」という伝達をするだけの、批評力が根本的に欠けていたのですよね。

情報の引き算が足りず、読み手のアタマが一杯になる原稿だったのです。

そんな状態を変えるのが、情報を客観視する感覚をもつこと。

良い方策を2つご紹介します。

話を録音して聞く

自分の料理の出来を知るには、味わってみること。

話の場合は、自分の話を録音するなどして、あとから聞いてみる。

すると、「情報量が適切か」「理解しやすい内容か」を、聞き手の気分になって感じやすくなります。

「なんとなく長いな」「この辺りでアタマが疲れる」そんな感想を持てたら十分です。それが、伝え方を見直す足場となります。

なお、録音した直後は「客観的な評価」が難しいので、避けましょう。

録音したら少し時間を置くことで、より客観的な評価をしやすくなります。

他人のやり方を参考に

例えば、「他人の作った美味しい料理」を食べると、「自分の作る料理」との違いが分かりやすいです。

できれば、スピーチや講演も、他人の話をしっかり観賞すること。

今は、リアルでもネットでも、そうした機会を得やすい時代です。

上手な伝え方を聞くと、「分かりやすい」「最後まで話が頭に入る」そんな感覚を味わえます。

そもそも耳から聞いた情報は、一時的な記憶領域に保管され、それから理解されます。

その仕組み上、「目で読む情報」よりも「受け取る人の頭が一杯になりやすい」性質があります。

そのため、情報をシンプルにまとめなければ、

・相手の印象に残りづらい

・ポイントが情報の中に埋もれて伝わらない

こうした事態にすぐに陥りやすいのです。

上手な話は、そうした点が手当された跡があります。

なお、話し方教室では、直接、講師からフィードバックを得られます。

客観的な助言を得ることで、情報を扱うスキルの現在地が分かり、その後のキャリアに生かして頂けます。

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執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
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