「人前で、どんな話をしたらよいか分からない・・・」
そんな声をよくお聞きします。
スピーチや会話の場面で適切なネタが分かることを、このブログでは「話の相場観」と呼んでいます。
どうしたら「話の相場観」が身につくのか、今回ご紹介します。
盲点に気が付くと、自分の殻が破れる
教室である日、受講しているAさんから、相談を受けました。
「朝礼で、どんなことを話したらいいのでしょうか?」
スピーチをする番が回ってくるそうで、考えている真っ最中とのこと。
案をいくつかお持ちでしたが、いずれも2~3分の話としては聞きごたえが薄く、スピーチになりづらい印象でした。
でも、Aさんはアイデアを語り終わったあとで、ふと「最近、こんなことをしているんですけど…」と、日記をつけている話をされました。
簡単に概要をお伝えすると、
日々、短い日記をつけるうちに、自分の生活の無駄がわかってきて、効率のよい1日の過ごし方が分かってきた。
という話。
私は「これはスピーチにできます!」とお伝えしたのですが、Aさんは不思議そうな顔をしていました。
「そんな話でいいんですか?」としっくりこない様子です。
そして、後日・・・。
Aさんから、「朝礼で日記の話をしたら、上司から良かったよと評価されました!!」とのメール。
ご本人はやってみて、「今まで等身大の自分で話せていなかった」と感じたそうです。
これは、話し方を学んでいる人によくあるケースです。
そもそも、自分の経験や考えに、価値があるのに値引きしてしまう。
“精神分析の口語訳”とされる交流分析には「ディスカウント」という言葉があります。
とても素敵なことをしているのに、それに気が付かない。
自分の日常が、話のネタになる気がしていない。
ネタとして見落としているから、良い話に発展させることもできません。
こうした盲点に一度気がつけると、自身へのディスカウントは減っていきます。
それは、人生に自信を持つことにも、直結することがあります。
一方で、自分が熱狂的に良いと感じることが、他人には響かない。
そんなことも起こり得ます。
自分のセンスに自信がある人ほど、わりと相場観はなく、他人に響かない話をしがちです。
(誰かに、自分の感性を認めて欲しいのかもしれません)
人前で話を披露するうちに「え、こんな話でいいの?」という意外な発見があると、肩のチカラを抜きながら、話をしていけるようになります。
話の相場観を磨くには
教室は「恥をかいて良い場所」なので、最初は自分なりに考えた話でOKです。
さまざまな話をしながら、どのようなネタがよいのかトライ&エラーをしていきましょう。
また、他人のスピーチを聞きながら、聴衆がどのように反応するかを感じ取ってみてください。
さらに講師からもフィードバックを受けるうちに、「あ、こんな風に日常のネタをアレンジできるのか」といった、情報の活かし方もわかっていきます。
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