更新日:2025年11月3日|公開日:2023年4月25日

練習では制限時間に収まったのに、本番で話すと時間が長くなる、あるいは短くなってしまう・・・。

とくに、「昇格試験におけるスピーチ」「プレゼンのコンペやビジネスコンテスト」「講演」など、発表の時間が決まっている状況では、とても気になる点です。

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古垣講師

この記事では、3,000名以上の皆さまとのトレーニング経験をもとに、「時間内にほどよく収まらない原因」「対策」を紹介します。

目次
・発表の時間が練習より長い
・発表の時間が練習より短い

発表の時間が練習より長い

この場合に多いのが、発表本番で「話が飛びそうになった(話を思い出すのに苦労した)」という経験です。

発表本番では緊張感の制御により、理性的な脳の力が低下します。

その影響で、「話の想起力(話を思い出す力)を普段のように保てない」ことがあります。

完全に忘れていなくても、「話を思い出す」ために「うーん」と考える時間(1秒以下〜数秒)が話の各所で起きやすくなります。

この「1秒以下〜数秒の間」が、知らないうちに積もり積もって、発表の時間が長くなるのです。

ただ、自分が「一杯一杯になっている状況」なので、多くの人はそのことに気が付けません。

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例えば、学校のテストでも、回答を考える時間が積もり積もって、あっという間に制限時間を迎えることがあります。それと似ています。

実際に当会でも、「想定よりも話す時間が長くなる」という受講者の方が多かったため、綿密に調べると「話の想起に時間が掛かること」が一番の原因でした。

対策としては、話を思い出しやすいよう「文の組み立て方」を工夫すること。

実はそもそも「思い出しづらい原稿」
を書いていることが、非常に多いのです。

例えば、「一文に情報を詰め込む」「文と文のつなぎ方が自然ではない」などの書き方です。

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構成は上手でも、思い出しやすい文の組み立て方は、また別の技術とお考えください。

発表の時間が練習より短い

話が想定した時間よりも短く終わる場合、以下のいずれかが原因として挙げられます。


  • 1) 緊張して早口になってしまう
  • 2) 話に没頭してあっという間に語り終える
  • 3) 話のあちこちが抜けてしまう

1)、2)については、緊張感の影響で交感神経が高ぶるなどして、頭が興奮した状態で、急いで語り終えてしまう例があります。

ただ比較的、緊張感を制御できていても、「タスク完了を目指してしまう」という例もあります。

これは「頭の中で話すべきことを意識」したら、それを「口に出して伝え終える」ことだけが目標になってしまう状態です。

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頭の中に溜めたタスクを全うすることが第一で、それをゆっくり他人に共有することは意識に無い状態です。

対策としては、「緊張感のコントロール」「タスク完了」ではなく、
「タスクをゆったり進行する」ことにも慣れることです。

ちなみに話す際のほどよい文字数は、1分間230〜260字(漢字を含む標準的な日本語の文章で換算)です。

これを目安に、時間内でたくさんの文字を話しすぎないよう、トレーニングをしておきましょう。

3)に関しては、話す要素が多い可能性があります。

その場合は、情報整理を徹底し、「話の要素をあれこれと盛り込まない」ことがお勧めです。

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古垣講師

当会の記事やレッスンでは、話の要素をどのように整理すると良いのか、紹介しています。

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執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
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