公開日: 2023年4月25日

練習では制限時間に収まったのに、本番で話す時間が長くなる、あるいは短くなってしまう・・・。

とくに、「昇格試験におけるスピーチ」「プレゼンのコンペやビジネスコンテスト」「講演」など、発表の時間が決まっている状況では、とても気になる点です。

この記事では、3,000名様以上とのトレーニング経験をもとに、「時間内にほどよく収まらない原因」と「対策」を、ご紹介します。

目次
・発表の時間が練習より長い
・発表の時間が練習より短い

発表の時間が練習より長い

例えば、本番で「話が飛びそうになった」経験はないでしょうか。

緊張時は、話の想起力(話を思い出す力)が低下しがちです。

そのため、話を思い出すために「うーん」と考える時間(1秒以下〜数秒)が生じることがあります。

この1秒以下〜数秒の間が、知らず知らず、話のあちこちで増えてしまう。

しかし、多くの人はそのことに気が付けません。

それは、練習時はリラックスしているので、本番ほど話を思い出すのに苦労しないのです。

しかし、本番になると、過剰に緊張したり、集中力が途切れやすくなったりして、状況が変わります。

本番限定で、しかもわずかな変化が、話の随所で起きる。これに気づける人は、とても少ないのです。

原因がわからないまま、「なぜか本番で話す時間が長くなる」という事実だけ、ご本人が味わうわけです。

対策としては、話を思い出すやすいよう「言葉の組み方」を工夫すること。
実はそもそも「思い出しづらい原稿」を書かれていることが、非常に多いのです。構成は一見上手でも、思い出しやすい組み方は、また別の技術です。
その配慮があることで、本番時の話しやすさは変わります。

発表の時間が練習より短い

短く終わる場合、以下のいずれかが、原因として多いです。

1) 緊張して早口になってしまう。
2) あるいは、話に没頭してあっという間に語り終える。
3) 話のあちこちが抜けてしまう

3)に関しては、前段でご紹介した理由や対策と同じです。
話をスムーズに思い出せるよう、そもそも原稿面から配慮が必要です。

1)、2)に関しては、緊張感をほぐしつつ、一気に一文を読まないこと。
「。」で区切るまでを一気に読むから、話の速さが加速します。

ちなみに、ほどよい情報量は、1分間230字〜260字程度。

これを目安に、話す訓練をしておきましょう。

執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
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