教室で10年以上に渡って、話し方の様々なレッスンを行ってきました。
会話のレッスンで、とても多いのは以下のようなお悩みです。
「聞き役に徹することが多い」
(だから、自分から話す練習をしたい)
「面白く会話ができるようになりたい」
こうしたお悩みはよくわかります。
また、それらを改善する練習法が悪いわけではありません。
ですが、練習をしたのに、相手との会話がかみ合わない。
聞き役を脱しようとしたら、自分が一方的に話をしてしまう。
そんなケースも多いのです。また、根本的に会話の一歩を踏み出しづらい人もいます。
そもそも、どのような練習が必要と言えるのか、以降でご紹介します。
認知と行動を見つめ直す
そもそも、なぜ聞き役に徹してしまうのでしょうか。
話すことに慣れていない、という理由だけでしょうか。
対等な立場で、自分のことを話せているでしょうか。
あるいは、自分から話しかけようと、自然と一歩を踏み出せるでしょうか。
当会のトレーニングで実践しているのは、認知行動療法で「考え方や行動のクセ」と「その大元にある思考」を知ること。
そして、できそうなことから、徐々に自分の行動パターンを変えていくことです。
まずは、心理の面からコミュニケーションの土台を見つめること。
それができれば、会話力が根底から変わる一歩を踏み出せます。
再点検:本当に聞いているのか
聞いているばかりだから、自分から話せるようになりたい。
そうしたお気持ちは、良く分かります。
ただ、聞き方をしっかり点検することは、とても有意義なのです。
日本語には、「聞く」「聴く」「訊く」など、いくつかの表現があります。
聞く・・・聞こえてくるものに耳を傾ける(受動的)
聴く・・・心を寄せて耳を傾ける(能動的)
訊く・・・質問をする(能動的)
このうちの、能動的な聞き方のテクニックを実践することで、会話のお悩みはかなり改善します。
能動的に相手の話を受け止める方法、質問の仕方などを実践すると、以下の効果が生まれます。
・十分に相手の感情を引き出して話せる
・話のキャッチボール感を生み出す
・話が長く続く
・相手との関係性が深まる
「聞き上手は話し上手」とも言われますが、聞く技術を理解することで、話の苦手意識から脱することができる人も多いのです。
では、話すチカラで重要な点は?
会話の目的の一つは、「感情の共有」です。
「感情」とは、体験を踏まえて自分がどのような気持ちを味わったのか。
例えば、「パン屋に立ち寄ってみたら、食パンが新食感とのことで、美味しそうだった」。
この「美味しそうだった」というのが感情です。
もし「感情」を抜きにしたらどうなるでしょうか。
「パン屋に立ち寄ってみたら、食パンが新食感とのことだった」
この場合、「情報を自慢したいのか」「自分の驚きを知らせたいのか」など、相手が色々と想像しないといけない余地が生まれます。
感情が話に含まれることで、ようやく相手が話のニュアンスや意図を、理解しやすくなります。
また、感情を通じて人柄が伝わるので、相手が距離感を掴みやすくなる側面もあります。
もちろん、客観的な情報を伝えるだけの会話もあります。
(例:家族などと天気予報を共有)
また、ビジネスのコミュニケーションでは、「感情」は排除されがちです。
ただし、それらは主観を省いて情報を伝える目的があるため。
相手と心の距離を縮めるための会話(雑談)では、むしろ感情を適切に言葉にできることが役立ちます。
もちろん、延々と愚痴を続けるようなコミュニケーションはNG。
適切に相手が受け取りやすく、短く話す技術も、ある程度は必要です。
会話の練習に役立つレッスン
10年以上の研究に基づいた、「認知行動療法の自己分析」&「話す・聞く技術を学べる」のプログラムを開催しています。
学生の方から、会社役員などの方に至るまで、様々な方が会話力を伸ばすレッスンを受講されています。体験受講も可能。
一度、専門的にトレーニングを受けてみたい方は、ぜひご利用ください。