・「人前に立つと早口になってしまう」
・「人前で話すと遅いと言われる」
こうした「話すスピードの悩み」は、当会にもよく相談が寄せられます。
まず意識して頂きたいのは、語る速さの目安です。
目安は1分間あたり300字以下

放送の現場では、「1分間に300字程度」を目安とすることがあります。
これは、「句読点」「漢字」「かな」が混ざった日本語の文章で300字とお考えください。
話し方の世界でも、1分間に300字を速さの目安とする方は多いです。
私自身で色々な原稿を作成して試したところ「300字以下」が、もっとも聞き手に理解されやすい速さだと感じました。
とくに難しい内容をプレゼンするときは、1分間で230~260字くらいの情報量に押さえて、「相手に、話を理解してもらう間(ま)」を随所に設ける方が、聴衆が聞きやすいと感じます。
話すスピードをつかむ~10秒間チェック~
話す速さを確認するには、即興でやるなら以下の方法があります。
例えば、1分間(60秒)で300字ならば、10秒間なら50字(300字の1/6)が目安となります。
以下に、その文例を紹介します。
50字の文例(1) |
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先週、友達と一緒にランチが評判のレストランに行きました。想像以上に混んでいて、随分と待たされました。 |
こちらの文を、時間を計れる道具があれば、10秒間で終わるように読んでみてください。
わりとゆっくり読むのだな、と感じる方が多いかもしれません。
実際のスピーチやプレゼンでは、常にゆっくり語るわけではありません。間などで、変化をつけることがあると思います。
ただ、この10秒間の話す速さを基準としてみると、自分がどれほどの速さで話しているのか、具体的な実感として分かってきます。
もう一つ、50字の文章を載せます。
50字の文例(2) |
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スピーチをするときは緊張から早口になってしまうのですが、練習するうちに克服できる気がしてきました。 |
こちらも適宜、間を入れながら10秒間で読んでみてください。
実際のスピーチやプレゼンでは、聴衆の反応を見ながら長めに間を挟むこともあるで、この文章を10秒間で読むのとは、ちょっとペースが変わります。
ただ、こうした速さを理解しておくと、スピーチやプレゼンテーションにおける「語りの基本のペース」をイメージして、練習ができます。
入門編「ラクに話せる文章の基礎」+「本番力が身につく練習法」」
放送業出身の講師が教える、「スピーチを覚えて話す」ための動画レッスン。
話をスムーズに思い出せないと、話すスピードが安定しません。話しやすい文章のコツと記憶術を点検できる動画講座です。