ただ話をするだけでなく、見せ方の配慮次第で、印象が変わることがあります。
大事なポイントについて、要点をまとめています。
「基本姿勢」と「立つ位置」
基本姿勢
・足は閉じ過ぎずに、適度に開きます。
・背中はまっすぐに伸ばしましょう。腹筋と背筋を適度に引き締めると、コルセットのような役割をして、姿勢が真っすぐになりやすくなります。発声にも良い影響があります。
・手は体の脇にまっすぐ伸ばすか、前で手を組みます(結手)。
ただし、海外では結手をするスピーチは珍しいです。
なお、このあとでジェスチャーについてもご紹介しますが、何も動作をしないときの手の位置はとても重要です。
常に手が動いていると、逆にうるさく感じられることもあります。
そのため、手の基本位置を決めておいて、練習をしましょう。
立つ位置
演台やスタンドマイクなど、話す位置が定められている場合もありますが、基本的には聴衆から見やすい位置を考えて、立ちます。
聴衆は話し手の顔が見えないと、話に対する興味が減ることがあります。
人前に立つ際に、会場を見渡しながら聴衆から見えやすい位置に立ったり、途中で見づらそうな人がいたら動いてあげたりするのも一手です。
ジェスチャー
ジェスチャーとは手や体を使って、話の意図を表現する行為です。
ジェスチャーを使うことで、スピーチやプレゼンテーション、講義や講演などの話が、印象深くなることがあります。
また、一対一で話す場面に取り入れて印象を改善することも可能です。
ジェスチャーを使う際の注意点や、使うと具体的にどのような効果があるのかを、以下にまとめてみました。
注意点
例えば、慶弔のスピーチで、お祝いやお悔やみを述べる話し手は、会の主役ではありません。
その際に、「自分を見て」と言わんばかりにジェスチャーを使うことは、聴衆から良い反応をもらえないことがあります。
逆に、自分が主役として聴衆に語りかけるスピーチや講演などでは、ジェスチャーが使われないと、硬い雰囲気を打破しづらいこともあります。
話し手として、自分がどのような立ち位置になるのか、事前に考えておきましょう。
また。プレゼンなどでは、聴衆がスライドに集中したいタイミングで、ジェスチャーが連発されるとノイズと受けとられることもあります。
一つの話の中でも、ジェスチャーの使いどころは事前の検討が必要です。
ジェスチャーの例:体験を再現
例えば、「緊張したときに手が震えた」と語る際に、実際に手を震えさせる。
あるいは、体験談でなにか動作があるときは、それを再現してみる。
これらのジェスチャーによって話に臨場感が備わります。
そもそも話の中に体験談を入れると、「追体験」の効果を狙えます。
追体験とは、話の中の出来事を聴衆自身が経験したかのように感じ取る、というものです。
「体験を再現するジェスチャー」で臨場感が備わると、聞き手の追体験がさらに深いものとなることがあります。
ジェスチャーの例:感情を形にする
頭が痛い問題を語る際に、手を頭に添える。
心の内を語るときに、手を胸の上に置く。
このようなボディランゲージを交えることで、話の印象が豊かになります。
淡々と語ってしまって「聴衆への訴求力が弱い」と感じた時などは、こうしたジェスチャーは役立つことがあります。
ジェスチャーの例:数や量を表す
例えば、指を使って、数を表現する。
壮大な光景や大きな問題など、スケールの大きさを表現する際に、両手を広げる。
こうして、数や量を表現すると話にインパクトが生まれます。
ジェスチャーの例:手の向きによる演出効果
手のひらを上向きにすることで自己開示、オープンな雰囲気を作ることができます。
また、逆に手のひらを下向きにして、押さえつけるような姿勢で話すと、権威を示すことができます。
服装の配慮-上着のボタン
ジャケットを着て話す場合、ボタンが全て空いていると、だらしないラフな印象になります。2つボタンのジャケットなら1番上、3つボタンなら2番目のボタンを閉めると、フォーマルな印象になります。
字の大きさ
板書する場合、あるいはスライドで文字を見せる場合、聴衆が見やすい文字の大きさになるよう気を配りましょう。
会場の広さにもよりますが、20人が入るくらいの小規模の部屋でも、一文字の大きさは、最低でも手のひらぐらいのサイズで書きたいところです。