- 「失敗したらどうしよう」
- 「相手にどう思われるだろうか」
これらは、あがり症を自覚する方が、しばしば実感することです。
話に集中しづらくなるので、本番中にパフォーマンスを崩しがちなことも。
この場合、技術と心理の両面で、問題を点検することがお勧めです。
以降に、それぞれの視点と改善策をご紹介します。
技術面:自分の話力の不安を払拭
「言葉の選択」や「伝え方」に自信をもつ
話すときに、言葉の選択や伝え方に自信がないと、「相手に奇妙に思われるのではないか」「相手に馬鹿にされるのではないか」など、不安が高まることがあります。
言葉の選択や伝え方は「相手の受け取り方」をイメージすることで、話が明確に伝わる工夫が可能になります。
しかし、「他人の受け取り方」をイメージしづらい人の場合、言葉の選択や伝え方が、自分なりの工夫でとどまりがちです。
ここは、客観的なフィードバックを得ながら、「他人の受け取り方」の相場感を、自分の中に作り上げていくことが、何よりも大事な方法です。
即興で話す力を安定させる
準備したら話せるけど、「即興で話す」場合に自信がない。
すると、即興の場面で他人の評価が気になることがあります。
人は、即興で話す際に、
「言葉の選択」
「文の組み立て」
「何を話すか、思考や情報の整理」
これらの作業で、頭が混み合います。
脳の余力が少ない人は、そこで一杯一杯になり、作業全体が滞りやすいです。
上記のタスクを、一つ一つ、効率的にできるよう訓練すると、スムーズに話せるため、自信がつきます。
「話が飛ぶ不安」を払拭
失敗を恐れる人で、わりと多いのが話が飛ぶ(話を忘れてしまう)不安です。
たくさん練習しても、本番で内容をど忘れするのではないかと、不安になることがあります。
その場合、話を覚える練習も大事ですが、「話しやすい組み立て方」 や 「情報整理」もとても大事です。
「話しやすい組み立て方」は、話の前後が一本の線で繋がるような「自然な情報の流れ」で、思い出しやすい構成感になっていること。
また、「情報整理」は余計な思考や情報を引き算して、「脇道に入らない話」を構築できていること。
これらの対策ができると、当会でも「話が飛ぶ不安」が目覚ましく改善する人が多いです。
心理面:気になる性質と向き合う
気になる心身の状態を改善
「呼吸が苦しくなる」「声や体が震える」といった症状は、緊張感とともに生じることがあります。
そうした状態を人前でさらすことが不安で、失敗や評価を恐れることがあります。
対策としては、緊張感を鎮めることで、こうした症状が軽減しやすいので、その対策をすること。
当会では、認知行動療法を始めとする心理療法で、緊張感の軽減を目指して頂いています。
また、ステップを踏んで、緊張感に慣れていくこともお勧めです。
例えば「一対一なら問題なく話せる」という人でも、話し方教室で「講師との個別レッスン」を受けると「意外と緊張した」と感じる人が多いです。
人数というよりは、評価する相手の有無で、緊張感が変わることがあります。
そうした緊張感に慣れながら「安心して話せる」ことを実感すると、だんだんと大きな舞台でも極度の緊張感が改善されていきます。
評価が気になる性質を変える
もともと他人の評価で自分の価値を決めてきた場合に、失敗を極度に恐れることがあります。
「褒められ」なければ、「自分の価値」を見いだせない。だからこそ、評価される場所で、どうにか周囲からの合格点を得ようと頑張ってきた。
あるいは、減点されないように、しばしば警戒して生きてきた。
この場合、自分の人生なのに、本当の人生を生きていない実感が伴うこともあります。それは、他人からの加点や減点が気になり、自分が主体性をもって生きている実感が少ないからです。自分探しも続けがちです。
対策としては、理想を追い求めずに、等身大の自信を手に入れることです。これは「自分を認める」とも言えます。
また、自分が心からやりたいことを把握すると、他人の評価を意識しすぎずに、行動しやすくなることがあります。この辺りは、専門的なカウンセリングも役立ちます。