更新日:2024年2月23日|公開日:2023年3月22日
こんな自覚はありますか?
・早く話し終えようと、焦りが生じやすい
・言葉を適切に使うことが苦手
・失礼な発言で怒られることがある

上記に挙げた点は、いずれも「今ここ」という感覚がない場合に生じることがあります。

「今ここ」とは、マインドフルネスなどで広まった、キーワード。
もともとは禅の而今(にこん)が由来のようです。

これは、「未来」や「過去」に振り回されず、「今」に意識を注いで生きる、といったニュアンスです。

私も10年以上にわたって話し方の指導とカウンセリングを行ってきましたが、「今ここ」に留まれない人の場合、先を急ぐなどして、早口になる、あるいは言葉選びの苦手感が露呈する、といったことは起きがちです。

とくに「受動性がある素直な人」「義務感の強い人」に多いのが、「タスク完了」が頭をよぎること
頭に浮かんだことや、用意した原稿を、最後まで言い切る(タスク完了)をつい目指してしまう。
一瞬に意識を留めて、緩やかな足取りを保てない。

そのため、話すときも先を急ぐメンタルポジションになります。

この辺りで難しいのが、日常においては、タスク完了を目指す方針が、必ずしも悪ではないことです。完璧主義になりすぎず、適切にタスクを完了することは必要です。
しかし、一瞬一瞬の時間に腰を据えて、丁寧に取り組む。これも様々な人を相手に「分かりやすく誤解のないよう伝える」「良い関係を構築する」ためには必要になってきます。

ただ、こう考える人もいるかもしれません。
「言葉選びなどは、AIに任せたほうが、今後は確実ではないか。人が無理をして、頭をひねる必要性はないのでは」と。

確かに現在、ChatGPTなどのAIサービスが話題です。
私も色々と試してみましたが、使い方次第である程度、人に替わって仕事をしてくれる部分もあります。

ただ、少なくとも会議や説明において「その場で思いついたことを話す」、という行為は、今後しばらくはAIが代役を務めずに、人が行うはずです。
その状況下で、「今ここ」の感覚がないことは、話をする苦手感に繋がりやすいと感じます。

講師である私自身も、実は「今ここ」に留まることが苦手でした。
それでも、早口の解消などは、ここで述べたポイントを押さえつつ、トレーニングをしました。
それにより、随分と解消された実感があります。

トレーニングによって「今ここ」に留まる力を付けることは、十分に可能です。

執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
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