こんな場面で話せますか |
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・人前で即興でスピーチ ・会議で急に意見を求められる ・ユーモアのある発言をしあう |
「急に振られても話せない」「アドリブが苦手・・」という人は、一定数いらっしゃいます。
そもそも「話し慣れていないから」と考える人もいますが、具体的に原因を見つめると、よりスムーズな改善に繋がることが多いのです。
過去に3,000人以上の話し方を分析してきた経験を元に、タイプ別の対処法についてご紹介します。
目次 |
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一杯一杯になりやすい |
自由に発言ができない |
話すためのエネルギー(話圧)が弱い |
「批評」や「柔軟な発想」が苦手 |
まとめ |
一杯一杯になりやすい
「情報をスピーディーにまとめられず、アタマが一杯になる」「準備したら話せるんだけど・・」と感じるタイプです。
そこで普段のスピーチ原稿などを見せて頂くと、以下の2つのうち、どちらかの傾向が見られることがあります。
- a) 内容が散らかりやすい(話がまとまらない)
- b) 熟考型で、全体の道筋より、細部に意識が偏りがち
aのタイプは、話が広がり、頭が一杯になりやすいケース。
即興で話すためには、A, B, Cと要素を列挙する水平展開ではなく、優先順位の高い要素を選び、まとめる作業が必要です。
bのタイプは、熟考したことを、一つ一つ足し算するように、原稿に書き加えていくタイプ。中には、余計な数字、具体情報が多いケースもあります。
そうした習慣があるために、素早く情報を構築しようとしても、細部で手間取ってしまうのです。
ちなみに、a、bを兼ね備える方もいらっしゃいます。
地道な方法ですが、内容が散らからず、全体の道筋を素早く作る力があれば、準備がスムーズなことは当然ですが、即興で話す際も苦労は感じづらいはずです。
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自由な発言ができないタイプ
精神分析の口語訳と言われる「交流分析」では、子どもっぽい自由な心をFC(FreeChild)と表現します。創造性にも繋がる気質と言われます。
FC(Free Child) 積極的に自分の感情を表現する性質 |
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・この性質が強すぎると、奔放で、自己中心的な印象に。 ・この性質が弱いと、自分の感情を押さえがち。 |
FCの気質は、誰でも多かれ少なかれ持っているものです。
ただ、普段から生真面目でFCが低いと感じる人、もっと遊び心を高めたい人は、意識して変えていくのもよいでしょう。
FCのような気質は、行動を通して変えていくことが可能とされています。
趣味を自由に楽しむ時間をもつ、笑うことを増やすなど、自由な時間、感情を表現する時間を意識してもつことで、FCは高まります。
FCの高まりは、人前での「ユーモアセンス」や「発言の推進力」にもなります。
反対に「普段は自由なタイプなのに、いざ人前に立つと話せない」という人は、前述の「一杯一杯になりやすいタイプ」を見つめてみましょう。
話すためのエネルギー(話圧)が弱い
そもそも人前で発言するにあたり、脳とカラダのエンジンは掛かっているでしょうか。
言葉を思い出し、話を組み立て、発声するなど、話すためには脳とカラダを使います。
パフォーマンスの理論としてよく引用される「ヤーキーズ・ダットソンの法則」があります。
その法則では生理的覚醒(鼓動が早くなるなど)が中程度のときに、もっともパフォーマンスを発揮しやすいとされています。
普段、話す機会が少ない人は、そもそも自分のエンジンのかけ方を知らないことがあります。
事前に脳やカラダを目覚めさせるため、運動などしておくのもお勧めです。
「批評」や「柔軟な発想」が苦手
例えば会議で一つのプロジェクトについて意見を求められたとき。
即興で自在に話す人は、誰もが思いつくような意見に収まりません。
鋭い批評や、さまざまなアイデアを提案できます。
必要な能力としては、
・クリティカルシンキング(根底から物事を見つめ、優先順位の高い意見を検討する)
・魅力的なビジョンを描ける
基本として学びたいのは、この2種類。とくに、クリティカルシンキングは、物事を根底から見つめ直し、新たなビジョンを描くための基礎力ともなります。
ちなみに、当会のレッスンでも、即興話に必要な批評力や発想力を磨いて頂けるトレーニングがあります。
まとめ
ご紹介したポイントをまとめてみます。
一杯一杯になりやすい→具体ではなく全体の文脈づくりを意識 |
自由に発言ができない→趣味の時間などを通してFCを高める |
話すためのエネルギー(話圧)が弱い→脳とカラダの覚醒を促す運動などがお勧め |
批評や発想がが苦手→根底から物事を見つめ直す |
苦手な人でも、ご自身に合ったトレーニングに取り組むと、即興で話すことが楽になります。
講師の古垣が、即興スピーチに挑戦した様子を動画で少しだけ・・・
このときは、「伊達眼鏡」と「ひな祭り」という2つのお題を聴衆の方から頂き、即興で一つの結論を決めて、3分ほどのスピーチをしました。
とくに情報整理の仕方(具体思考への偏りなど)を見つめ直すと、わりとスムーズに改善ができる人が多いです。
Copyright secured by Digiprove © 2019執筆者
【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
講師詳細 話し方オンラインレッスン開催