更新日:2023年11月16日|公開日:2023年10月26日
こんなお悩みはありますか?
・他人の気持ちを読みすぎてしまうのか、堂々と話しづらい
・特定の人に、自分の話が伝わりづらいことがある
・相手のことを考えすぎて、遠慮しがちな伝え方になることがある

本来、「気をつかえる」ことは、共感力協調性として、仕事や人生で役に立つチカラです。

しかしながら、他人に様々な配慮ができるけども、伝える際の苦手意識を感じて当会を受講される方も、しばしばいらっしゃいます。

このコラムでは、お悩みの原因と改善のポイントをご紹介しています。

気をつかい過ぎる人が陥る、意識の偏り

心理学では「速い思考(直感的)」「遅い思考(理性的)」という考え方があります。(Evans & Stanovich, 2013)

速い思考(システム1) 遅い思考(システム2)
直感的熟考的
速い遅い
進化的には古いシステム進化的には新しいシステム
無意識的意識的
自動的制御的

例えば、気をつかう人の中には、経験をもとに直感的、反応的他人の意図を感じ取ろうとする人がいます。

これは「速い思考」という直感的、反応的な対応の仕方であり、比較的、自分がラクにできることです。

しかし、速い思考ばかりに意識が傾くと、脳に負荷をかける意識的な思考(遅い思考)の習慣が乏しくなります。

そうした事情から、直感的、意識的に考えられずに、情報のまとまりが乏しいことや、要点が漠然としたまま、他人とコミュニケーションをしてしまう人は少なくありません。

また、相手に配慮しすぎて「伝えるべきこと」を正面から話せず、避けてしまう人もいます。
気をつかい過ぎることから受け身の心理状況になりやすく、主体性を発揮しづらくなる例もあります。

ただ、伝え方が上達すると、自信をもってコミュニケーションができるため、仕事や周囲に主体的に関わる抵抗感が薄れます。

これには、主体的に周囲と関わる、リーダーシップを育てる一面もあります。

そのためにも、過去の経験からくる直感や感性だけに任せず、理性的に話すべき内容を構築する

その熟練度が必要になるのです。

特定の人に、自分の話が伝わりづらいのはなぜ?

気をつかう人の中には、共感力が高く、他人の意図を読み解くことに慣れた人がいます。

ただ、ご自身には共感力があっても、他人に同じだけの共感力があるとは限りません

そのため、「自分ならわかる」という基準は、「他人にとって必ずしも理解しやすいものではない」ことがあります。

また、ビジネスでは、あえて共感力(察する力)に頼らずに、「それはどういうことか? なぜやるのか?」といった考えを精緻に言語化するケースも多いです。

ただ、共感力がある人は、普段はぼんやりとした話から意図を汲み取る抽象度に慣れています。
さらに、主体的な発信が少ない環境にいると、細やかな言語化に不慣れになっていることがあります。

その場合は、どう言語化するとより伝わるのか、他者からフィードバックを受けながらのトレーニングが有効です。

共感力を頼ることは、自分自身に根付いてしまったコミュニケーションのスタイルです。

だから、自力で殻を破ることは難しく、他者のフィードバックをもとに、話の抽象度を変えていく必要性があります。

まずは、情報の範囲と深さを適切に設定する

「情報のまとまりが乏しい人」「要点をつかんで話しづらい人」は、以下の2つは、基本として考えておきたい点です。

1)伝える内容を意識:適切な話の範囲を考える

2)具体化:ぼんやりとではなく、どこを深掘りするのかを考える

情報を扱う際に考えておきたい、水平方向の情報の広がりと、垂直方向の話の深まり方

1は、水平方向の話の広がりから、どこからどこまでを話すか。

また、2は1)で決めた話の範囲の中から、どれだけ垂直方向に掘り下げて話をするか。つまり、具体例などを交えて、どれだけ鮮明に話すか。

当会でも、こうした伝え方を学び直せるトレーニングを開催しています。

参考文献
ダニエル・カーネマン(2012)ファスト&スロー(上).村上章子(訳)早川書房:東京.

Evans, J. St. B. T., & Stanovich, K. E. (2013). Dual-process theories of higher cognition: Advancing the debate. Perspectives on Psychological Sciences, 8, 223-241.

Stanovich, K. E., & West, R. F. (1998). Individual differences in rational thought. Journal of Experimental Psychology: General, 127, 161-188.


執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
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