更新日:2023年8月4日|公開日:2016年9月29日

スピーチで陥りやすいのが、情報収集に力を入れてしまうこと。

しかも陥りやすいのが、聞く人が驚くような面白い体験を探す、印象の強いネタを探すことです。

確かにネタに自信があれば、プレッシャーが掛かる場面でも安心感が生まれやすい面はあります。

ただこれは、講演やスピーチコンテストなどの特別な場なら、まだ良いのです。

朝礼など「定期的に話す場」では、次の機会に向けた準備がツラくなります。

自分の中で面白いネタの水準を維持しないといけない、そんな他人からの印象を維持しようとする心が生まれ、毎回のネタ選びが難航しやすいです。

これは、3,000人以上のトレーニングにご一緒してきた経験からすると、かなりの確率で起こります。

むしろ定期的に話すために必要なことは、情報収集よりも「情報編集」に舵を切る。

つまり「何気ない日常の話」をベースに話を作ることです。

体験の珍しさではなく、日常から自分が何を得たか。つまり、思索や気付きの面白さでスピーチを仕上げられるのです。

例えば、

「昨日、趣味の道具を購入して、そのときの接客から学んだこと」だとか。

「仕事をしているなかで、人間関係に救われて考えたこと」だとか。

誰にでも起こりそうな出来事でも、「自分が何を得たか、学んだか」は、自分だけの感じ方や考え方が反映されます。

だから、固有の魅力があるので、聴衆にとって聞き甲斐のある話になりやすいです。

情報編集で気をつけたい点ー思考の語りの長さ

気をつけたいのは、思考の語りが長すぎる話は、理屈っぽく聞こえること。

なるべく体験談をしっかり描いて、思考は必要最小限に留める。

もともと考えることが好きな人は、思考に触れた箇所が長くなりがちなので、注意が必要です。

情報編集で気をつけたい点ー構成感

序論で全体像を示唆。本論で具体例と思索を展開、さらには結論の明示など。

大切なのは、雑談ではなく、目的のあるスピーチに仕上げること。

そのためには結論を設定して、無駄を省くことも必要です。

色々な要素が混ざった雑談ではなく、スッキリと構成して話を聞かせること。

本当は、情報の収集に力を入れた場合も同様なのですが、構成感次第で、聴衆の集中力は変わります。

ちなみに、情報編集や構成の技術は奥深く、自分自身の体験から、どの要素を抜き出すかで、何を感じたかという視点も変わります。つまり話の深まり方まで違います。

ぜひ、ネタを探す「情報収集」よりも、話をつくる「情報編集」の腕を磨いてみてください。

情報編集力を磨いておけば、突然のスピーチでも、話をスムーズに準備できます。

Digiprove sealCopyright secured by Digiprove © 2019

執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
講師詳細  話し方オンラインレッスン開催

ことばの時間通信(無料メルマガ)

「話し方ノウハウ」&「講座情報」週1回配信
※登録解除はいつでも可能です
記事大分類から探す
タグから記事を探す

講座ページアクセス順位
  1. 人前での話し方 基礎講座
  2. 説明力を磨く 個別レッスン
  3. 会話力を伸ばす 個別レッスン
  4. みんなのとーくクラブ
  5. 経営者・専門家向けスピーチレッスン


カウンセリングアクセス順位
  1. あがり症改善 認知行動療法
  2. 話し方・あがり症総合カウンセリング
  3. 評価軸と自信のカウンセリング