公開日: 2022年8月2日

・原稿を持たずに、人前で話せない
・暗記して話すことが難しい

受講する皆様から、よくお聞きするお悩みです。

人は過剰に緊張すると、ストレスホルモンが分泌されます。その働きにより、脳の「記憶を思い出す機能」低下することが分かっています。体感的にも、緊張した場面で話を思い返しづらい人は、わりと多いと思われます。

ただ、緊張していても、原稿を見ないで長時間、余裕を持ちつつ話せる人がいます。一体、何が違うのでしょうか。

私が5,000本以上の「話す原稿」を見てきた経験上、圧倒的に違うと感じるのが「情報の組み方」です。

「原稿無しでは話せない」という人の情報は、「他人が見ても覚えるのが困難」なほど、話の要素が盛りだくさんなのです。

例を挙げると、

「次々と話が移り変わり、1つの要素を浅く描いてしまう」。

これは、複数のポイントを盛り込むなど、情報を詰め込んでいる状態です。

意識があちこちに向きがちな人に、多い傾向でもあります。

もう一つ多いのが、「他人からよく見られたいことを足し算する」。

これは、価値を上乗せするような情報を加え、総体的に話の要素を増やしてしまう例です。

以上の例は、ご自身にとって、わりとツラい状況を招きます。

心理学者ネルソン・コーワンの研究では、情報を覚える途中で使用する「作業記憶」では一定の「チャンク(情報の塊)」を超えると、情報を保持できないことが知られています。

原稿作りについて言えば、文字数と言うよりは、「話の要素の数」が多くなるほどに、スムーズに覚えづらくなります。
しかも、話の要素が多い原稿は、聞き手も記憶に残しづらいものです。だから、スピーチやプレゼンテーション、あるいは管理職としての情報伝達、評価のかかる面接など、大事な場面で話をする際に、印象に残りづらい内容を語っている可能性があります。

対策するなら、垂直展開が鍵

対策としては、そもそも少ない要素に整理して、話の道筋がぶれないようにじっくりと話を展開する。話があちこちに飛ぶ水平展開ではなく、一つのことをじっくり語る垂直展開の技術を覚えること。

すると、原稿を覚えることがスムーズになり、人前でも楽に話せます。

余談ですが、実は、講師の古垣自身、下積み時代は、情報の組み方がとても下手でした。効果的な引き算ができないため、思うように伝わらず、苦手意識を持った経験があります。
ただ、マスコミの仕事をする中で、試行錯誤しながら、情報を絞って、大事なことをじっくり伝える技術を身に着けてきました。

当会のレッスンでは、垂直展開させるノウハウを、基礎から身につけて頂けます。今までの習慣を断捨離する気持ちで、ぜひ「話に最適化された情報の組み方」を、学び直してみてください。人前に立つことを楽しめるほど、心境が変わる方が多いです。

参考:
Kuhlmann, s., Piel, M., & Wolf, O. T.(2005) Impaired Memory Retrieval after Psychosocial Stress in
Healthy Young Men.The Journal of Neuroscience, 25, 2977–2982.doi:10.1523/JNEUROSCI.5139-04.2005

Cowan, N. (2001). The magical number 4 in short-term memory: A reconsideration of mental storage capacity. Behavioral and Brain Sciences, 24, 87-185


執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集を担当、話し方を10年以上研究。現在は話し方講師、認知行動療法カウンセラー。
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