更新日:2022年5月18日|公開日:2019年7月16日

「準備した内容を全部は語れないまま、本番が終わる」

というコメントをお聞きすることがあります。

懸命に準備したのに、6割程度しか話せない。

これは、スピーチやプレゼン、講義や講演など、人前で話す機会において、よく起こることです。

原因には、2種類あります。

【原因1】原稿の情報量が多い

頭の中が、こんな風にたくさんの情報で溢れていませんか?

今まで1万人以上の原稿を見てきましたが、

・真面目で細やかに配慮するタイプ
・心配性
・アイデアを考えるのが好きな人

これらに当てはまる人は、原稿に足し算をしがちです。

そうした原稿の多くは、本番で抜け落ちる箇所が増えます。

というのも、脳の作業台(ワーキングメモリ)には限界があるのです。

「書く」ときには、原稿に情報を落とし込んで、自分が覚える必要性がありません。

「話す」ときは、それを覚えたり、本番で思い返したりする必要性があります。

この思い返すという作業で、脳の作業台が活用されます。

原稿の情報量が多いと、脳の作業台が溢れかえります。

もし、抜群の暗記力を持っていて全てを話せても、今度は聴衆の頭が情報で一杯になり、話が印象に残らないまま終わってしまいます。

【原稿2】話の要素が多い

要素が多く、複雑になっていませんか?

「3つの要点」など、複数の情報に触れている場合は、思い返すのに脳の負荷がかかります。

スライドなどに、3つの要点が書いてある場合は、まだ良いのです。

問題は、自分の記憶だけを頼りに、たくさんのポイントに触れる場合。

要点1を思い出して、要点2を思い出して・・と考えながら話すうちに、話が飛びやすくなります。

同様に、情報A⇒情報B⇒情報A など、入り組んだ構成になっている場合も危険です。

情報Bを話そうと思い返す時点で、話が飛びやすくなります。

話すことに適した「情報編集」が必要

話の編集感があれば、10割を話すことも夢ではありません。

10割の内容を伝えるためには、情報を思い返しやすい、シンプルな内容にすること。

それは、聴衆にとっても、聞きやすい話になります。

まずは、話全体を通して、「伝えたいことは何か」を決めましょう。

漠然としたテーマではなく、具体的なメッセージを設定します。

結婚式披露宴のスピーチであれば、「新郎は堅実な人、素敵な家庭を築ける」とか、

プロジェクトの業績を報告するプレゼンなら、「今期は調子が落ち込んだが、来期に期待」など。

そのメッセージを語るかどうかは別ですが、伝えたいことの核心を言語化しておくこと。

すると、どこを重点的に語るのか、あるいはどこを軽めに語ったほうがよいのかなど、推敲すべき箇所が分かりやすくなります。

また、情報の行き来があるなど複雑な話になっていたら、それは整理しましょう。


メディアの世界では「編集」と呼ばれる作業があります。

情報をただ伝えるのではなく、相手の受け取り方を意識して、組み替えたり、引き算をしたりする作業です。

編集を意識した話は、10割すべてを伝えても、自分が話しやすく、聞き手が疲れない内容に変わっていきます。

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執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集を担当、話し方を10年以上研究。現在は話し方講師、認知行動療法カウンセラー。
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