更新日:2024年2月6日|公開日:2023年6月26日

スピーチや各種発表(プレゼンテーション)、講演などで、緊張に負けずに話し続けるにはどうすればよいか。

10年以上にわたり、あがり症対策のサポートをしてきた経験から、今回は意外かもしれない対策をお伝えします。

会場の反応は、話し手が作り上げるモノ

緊張しやすい状況で話すには、プレッシャーによって心が凹むのでなく、むしろ心が張り合いを感じている状態にすることが役立ちます。

そのためには、会場の反応を自分で作り上げること。

例えば、スポーツのホームグラウンドで、選手が高揚するのにも似ています

聴衆の、喜び興奮集中している様子を自分のメンタルの追い風にして、心地よいプレッシャーを感じながら話す。

「そんなことができるのか?」と思われるかもしれませんが、実は大いに有効です。

人前でエモーショナルな話し方ができる人の中にも、実は伝え方を工夫することで、会場にエネルギーを生み出し、それを自分の高揚感や集中力に活用している人は、一定数いらっしゃいます。

人には、感情が伝播する仕組みがあるので、聴衆の感情が伝わってくるのですよね。

会場を「ホームグラウンド」化する方法

では、肝心のポイントとしては、声もジェスチャーももちろん大事です。大いに磨いて頂きたいポイント。

ただ、話を黙って聞き続けるストレスの中、「聞いて良かった」と思える内容がなければ、聴衆は報われません。

緊張する人の中には、体験した人もいると思うのですが・・

ときどき好意的な反応ではなく、聴衆の混乱が起きてしまう人がいます。

聴衆が
「この話が、自分にどう役立つのか不明」
「内容がわかりづらい」
「正確性が損なわれている印象がある」

など、話に対して困った印象を抱くと、とたんにアウェイのムードになります。

それは当然で、聴衆も支持をしたいけど、内容が今ひとつだと、良い反応ができないのです。

小手先のワザではなく、言葉や内容などを理解しやすく、ストンと入るように整えるだけでも、実は聴衆の雰囲気は変わります。さらに話しやすく聞きやすい情報の流れを作るなど、聞く人が没頭できる話をする工夫は、様々にあります。

もちろん、聴衆の反応を気にしすぎるのは、NGです。
「周りが認めてくれないと話せない」というのは、それはまた違った対応が必要になります。

聞いてもらえることの感謝も込めて、素材をきちんと料理できる腕を持つこと。

それは、話し手の誠意として好意的な反応を呼び起こし、話し手をさらなる集中力へと導いてくれます。

 

執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
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