経営者のお客様から、しばしばお聞きする実感があります。
- 「人前で話すことは自己流でこなしてきた。でも、伝わったという確信はない」
- 「会合などの場に行くと、うまく話せていない気がする」
経営者になると、話す機会が増える人が多いのですが、その割に批評などのフィードバックが少なめです。
それゆえに見落としがちなのですが、そもそも、経営者としての話には、聴衆が求める条件があります。
まず、多様な聴衆に向けて、「分かりやすく」語れること。
社員だけでなく、ときには世間やパートナー企業、投資家などが聴衆となります。
専門的なことを、自分の言葉で分かりやすく伝えられるか。
それ次第で、影響を及ぼせる範囲が変わります。
また、「聞き甲斐」を求められることも。聴衆は「せっかくリーダーから直接の話を聞ける機会」なので、何をどう話してもらえるか、期待感を抱いていることがあります。具体例を交えつつ、共感してもらいながら話せると、影響を及ぼす深さが変わります。
ちなみに、「分かりやすく」と「聞き甲斐」を両立させるのは実は大変なことです。聞き甲斐を狙って情報を盛り込むと、難解な話になりやすいのです。
そのため、重要なのが「編集感」です。
編集感とは、原稿のテンポの良さや話の刈り込み方など、プロの脚本家とまではいかないものの、情報をほどよくまとめて仕上げる技術です。
放送の世界にも息づく、重要な伝える力です。
聴衆が引き込まれていく話には、この編集感が必須です。
編集感がある原稿は、聴衆が楽に夢中になって聞ける仕上がりをもたらします。
実は、上手な経営者の話には、発声だけでなく、以上の点を訓練した後が見えます。
また、ライターがついているケースもあります。
(私自身も原稿アドバイスをすることが、しばしばあります)
いずれにしても、自己流で話の準備力を磨くのは困難です。
ある程度の話をご自身で作れるよう、トレーニングしておくのがお勧めです。
例えば、経営者向けのスピーチトレーニングでは、3分程度の話を作る中で、「分かりやすさ」「聞き甲斐」「編集感」を磨けます。
- 「公の場で気おくれせずに話せるようになった」
- 「自分に必要なことは、編集感だった」
といったご感想もよく頂きます。
ぜひ、リーダーとして人前に立つための話し方を磨いてみてください。
大事な場面においても、ご自身の武器として、スピーチ力が役立ちます。