公開日: 2023年8月15日
こんなお悩みはありませんか
・自分では内容はOKだと思っても、ときどき人から分かりづらいと指摘される
・原稿の情報が、記憶から抜け落ちやすい、情報が飛びやすい
・人前で話をしても退屈だと思われやすい

3,000人以上のトレーニングをしてきた中で、とても多いのが「原稿上の盲点に気が付かない」まま、話す舞台に上がるケースです。

今回は原稿とあがり症の関係、また原稿の改良法を解説します。

原稿上の盲点とあがり症

人がパフォーマンスを発揮するには、集中力が必要です。
心理学の世界では集中は「注意(意識を注ぐ)」という言葉で表現されます。

この注意力には限界があり、「注意資源」と呼ばれます。

実は、原稿の書き方次第で、注意資源が枯れやすくなることがあります。

注意資源が枯渇しやすい原稿
A)話す内容の情報量が多い(要・不要の選別が人よりもできない)
B)話の要素やスライド間の繋がりが悪く、話が散らかりやすい

Aは、知らず知らず体重が増えてメタボになるように、気が付かないうちに情報量が多くなっている。そのため、自分で話すと疲れる。あるいは情報が抜け落ちやすくなる。

また、聞く人も相当に大変(聞く際に注意資源が枯渇しやすい)。

そうしたケースがとても多いのです。
この状態は、緊張感を制御する心の余裕すら、失わせると考えられます。
さらに、「自己注目」と呼びますが、緊張している自分自身への注目度が上がる。
だから、余計に緊張感が増すことがあります。

Bは、要素が多いほどに、脳の負荷が高くなりやすいことが関わります。
情報が順列なら話しやすいのですが、情報が並列になる。すると、「あれもこれも」と話すので、自分でも頭が一杯になりやすい。結局は、注意資源を欠く結果に繋がりやすいのです。

ちなみに、聞き手が以下のような実感を抱くときは、「退屈感」を感じやすくなります。

「余計なことを話しているな(情報量が多い)」
「あまり深まらないな(話の内容が並列に並ぶばかりで、それほど深まらない)」
 
こうした原稿上の問題は、自分では気が付きにくく、会社の上司や研修で指摘されないと、自覚できない人も少なくありません。

パフォーマンスを保つ原稿の書き方

まず、「一文の作り」から点検しましょう。
どこで情報を区切るか、それにより、無駄を省くための情報整理がしやすくなります。
情報の要不要の判断が難しい人は、無自覚に一文の情報量が増えがちです。
当会でも、まずは一文の作りからアドバイスをお送りしています。

また、どのように情報が連なるか。
話の要素同士や、スライド同士が並列になりすぎない配慮です。

例えば「原因」を知ったら「対策」を知りたくなるなど、人には自然と興味が移行する先が決まっている部分があります。
それに従って話をすれば、上手な繋がりで情報を並べられます。
これは聞く人が自然と聞けるだけでなく、自分自身も記憶が抜け落ちづらくなる、上手な情報の流れを作ることに繋がります。

原稿が整い、最良のパフォーマンスを発揮できる内容になれば、注意資源は保ちやすくなります。心に余裕をもたらす原稿作りが、あがり症対策にも繋がっていきます。

当会でも、皆様の原稿に潜む課題を個々に検証して頂きながら、最良のパフォーマンスに繋がる原稿作りをご紹介しています。

執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
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