人の気分を気にしてしまう
話すときの緊張感につながる要因として、人に気をつかい過ぎるタイプも挙げられます。
気をつかい過ぎて聞き手の気分に左右されてしまい、オドオドとしてしまうタイプです。
ただし、本人には「気をつかいすぎている」という自覚が無いことがあります。
生まれ持った感覚なので、それが過剰だとは、本人はあまり考えません。
こうした繊細さをHSP(Highly Sensitive Person)という個性として捉えた考え方があります。「高い感受性を持つ人」という意味で、アメリカのエレイン・アーロン博士が提唱したものです。その調査では15~20%の割合で社会にHSPが存在するとしています。
HSPは、自分のペースで慎重に考えて行動することを好みます。
危険を敏感に察知したり、他人の気分に左右されたり、神経が高ぶりやすかったりして、オドオドしてしまうことがあります。
周囲からは引っ込み思案や内気だと思われやすいのですが、性格の問題というよりは、生まれ持った体質のようなものです。敏感な分、一人の時間や休息を必要とします。
ただ、そうした気質だと知らずに、頑張りすぎてしまう人も少なくないようです。
仕事をしているとき、観察されると緊張が激しい
競争させられたり、観察されたりすると、緊張していつもの実力を発揮できなくなることがあります。
敏感なタイプであり、周囲に向けたセンサーの影響が大きいのです。
普段から、周囲の変化に気づきやすく、影響を受けやすいタイプとも言えます。
気になるのは「相手の不快感」
HSPタイプの人に多いのは、とても善良で、相手の不快感に気づき、どう対処したらよいかを考えがちなこと。
だから、コミュニケーションをしている最中にも、そうした点が気になってしまう人も多いのです。
すると「集中力が不足する」「心の余裕が無くなる」という状態が起きて、緊張に繋がりやすいと考えられます。
HSPチェック
自分がHSPかどうかの参考として、エレイン・アーロン博士の日本語版サイトをご紹介しておきます。
→Are You Highly Sensitive?(別ウィンドウで開きます)
~各種情報は心理学者 エレイン・アーロン博士が記載。上記の日本語版サイトは博士の許可を得て、久保言史氏が翻訳。~
自分の個性を知ることが第一歩
HSPとまではいかなくとも、気をつかい過ぎてコミュニケーションで悩んでいる人はかなり多いと感じます。
ただし、いろいろなことに気づくからこそ、人とは違った視点の話し方もできます。
また、「気をつかい過ぎている」ことを自覚できると、少し楽をする付き合い方も見つかると思います。
自分の個性を十分に把握したうえで、新しいコミュニケーションを模索することをお勧めしています。
~参考文献~
『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』エレイン・アーロン/著(ソフトバンククリエイティブ)