更新日:2025年10月29日|公開日:2023年4月24日
こうしたお悩みはありますか?
・具体的な点を、長く話しすぎてしまう。
(説明や報告、プレゼンが長くなりがち)
・簡略化すると、簡単に語りすぎてしまう。
(スピーチや報告が短く終わる)

「何をどれほど話すのか」は、人前で話すために重要なポイント。

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古垣講師

上手な人ほど、重要な要素を上手に抽出して、話をします。

この記事では情報を抽出する技術の基本をご紹介します。

抽象度の調整力を磨く

「抽象」という言葉がありますが、これには「特徴を抽出する」という意味があります。

また、特徴を抽出した度合いを、「抽象度」といいます。

抽象度は、抽象と具体の間で変化します。


抽象:シンプルに伝える

この間で、情報の抽象度を変えられる

具体:ディテールを伝える


抽象的になるほど、シンプルな伝え方になります。

一方で具体的になると、情報量が増えていきます。

これらの間の「ちょうどよい抽象度」で話ができない。

だからこそ、話がまとまりがなく、ダラダラと話し過ぎてしまう。

あるいは、シンプルにしようとして、短く終わリ過ぎる。

「要領良く話すことが難しい」という悩みには、以上のような「抽象度の調整」が関わることがあるのです。

例:具体的な情報の、抽象度を調整
元原稿「私はリーダーとしてチームメンバーの業務についてのスケジュール表を作り、進捗を確認しました
アレンジ原稿「私はリーダーとして、チーム内で業務の進行管理をしました
(下線部が情報を抽象的にシンプル化した箇所)
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古垣講師

「口下手」というよりは、こうした情報の扱い方に慣れていないために、うまく伝えられないことが多いのです。

整理するから、抽象化できる

当会のレッスンでも、

「ここを削るとまとまるのですね!」(抽象化がわかる)

「こういう風に具体を語れるのですね」(具体化がわかる)

こんな風に意外性を感じながら情報の抽象度の変え方を知る皆様が多いです。

ちなみに「意外性を感じる」のは、ご自身としては「具体寄り」「抽象寄り」のいずれかにするのが、習慣になっていた場合です。

伝え方が具体寄りになる人の習慣
「細やかに話したほうが伝わる」と考え、情報量を増やしがち。
マニュアル作成を担当するなど、情報を網羅することがクセになっていた。
伝え方が抽象寄りになる人の習慣
考える際の負荷がニガテで、大雑把に伝えてしまいがち。
専門的な抽象度の高い世界に順応し、専門用語など使いがち。
過程よりも「結果」に着目し、多くのことを省略して語りがち。

こうした「自分なりの伝え方の習慣」によって、具体寄りや抽象寄りの偏りが生じることがあります。

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古垣講師

多くの人が、「抽象度」で話を客観視すると、それまでの習慣に気づきやすくなります。

なお、重要なポイントが一つあります。

「結局、自分が何を伝えたいのか(話の軸)」を整理することです。

話の軸を整理しないと、話の構築を誤ることがあります。

例えば、抽象化する場合にも、何をポイントとして残すべきか。

具体化するにも、何を深堀りして語ると良いのか。

その焦点の合わせ方が、話の軸をよく考えて整理しないと、ブレてしまうことがあるのです。

これは、スピーチや説明、報告、プレゼン、講義や講演など、様々な場面で必要な技術だと言えます。

当会でも「情報の扱い方」を学ぶ中で、磨いて頂けるポイントです。

言語化の基礎力としてもオススメ

言語化が苦手な人は、「語彙が少ないから」と考える人が多いです。

実は、今回紹介したような「抽象化」が、わりと大事なのです。

自分が普段使う言葉の「抽象度」に着目すると、「抽象的でふんわりと伝えている」ことに気づくことがあります。

その場合、「もっと具体的な表現を使うようにしよう」と目指すことで、新たな言葉の表現を獲得することにも役立ちます。

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古垣講師

私自身、メールを書くときなども、抽象度に注意しながら、表現を検討することが多いです。

ぜひ普段から、自分の発信の中で、抽象度を意識しながら言葉を選んでみてください。

「情報の伝わりやすさ」が、格段に変わります。

執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
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