更新日:2022年1月27日|公開日:2017年3月22日

闘争‐逃走反応

話すときに緊張してしまうのは、「闘争‐逃走反応」と呼ばれる体の仕組みが関係しています。
人の体は危機を感じたときに、体を覚醒(興奮)させる交感神経系の働きを活発にして、闘ったり逃げたりするための準備をします。(ウォルター・B・キャノン,1929)

例えば話すときの「私の話はどのように評価されるだろう」などの不安から「闘争‐逃走反応」が起こり、体が覚醒状態になることがあります。覚醒が高まり過ぎると、心拍数の上昇や体の震えなどの影響を及ぼします。

心配しすぎることの影響

この反応をいっそう過剰にさせているのが、心配しすぎるタイプの人と言えます。
心配することで「こんなことを話して良いのか」「こんな伝え方で相手が理解できるのか」など不安材料とみなせる点を自分で発見してしまいます。

このタイプは、良く言えば検討力があって、さまざまなことに気づける人です。ただ問題となるのは、リスクを避けがちになるケースがあること。

少しでもリスクを感じたら話すことに消極的になったり、内容に多少の不安はあっても開き直って話すことを避けてしまう方がいます。
また、不安なことをカバーしようと情報を盛り込みすぎて、話がシンプルにまとまらず、伝わりづらい話になっていることもあります。

話し方教室では、伝え方に自信をもてるだけでなく、実習を繰り返す中で、こうした自分の心の傾向や、状況によって生じる消極性にも気づいていくことができます。

気づきを深めるうちに、「もっと自分を信頼してもいいかな」「とりあえずやってみよう」と徐々に「違う考え方をしてみようか」という気にもなります。
たとえば、原稿をしっかり覚えて話してしまう方も、大事な結論部分だけ覚えておいて、あとは即興で楽に話してみるといった風に、自分の持つ話力を信じられるようになります。

話し方を学びつつ、余裕が出てきたらちょっと違う考え方に基づいた行動をとることを、教室で試してみてください。

追記;不安が大きく、生活に明らかに支障を来しているような場合は、一度、医療機関を受診することが勧められます。

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執筆者

【執筆者】古垣博康
【プロフィール】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト編集に携わりながら、話し方団体で講師を務める。現在は話し方講師、スピーチライター、認知行動療法&産業カウンセラー。
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