今回は、人前で話すことが苦手な人によく見られる、言葉の特徴をご紹介します。
改善すると、人前に立つ苦手意識が変わっていく人も多いポイントです。
まず理論からご紹介すると、発達心理学で著名な心理学者、ヴィゴツキー,L.S.は、
内言・・・思考の道具(自分の内部で使う)
外言・・・伝達の道具(自分の外部に向けて使う)
という分類を考えました。
本来は、人間は幼いころに言葉を覚え(外言を知り)、思考を発達させます(内言を得る)。
ただ、受講者の皆様と話し方のトレーニングを続けるうちに私が感じるのは、「内言」的な表現で話す人が多いことです。
内言的な話し方の例 |
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・言葉を使う際、相手に分かりづらい表現を選びがち ・概念的な考えや、自分が複雑に考えたことを話す ・考えたまま話すので、一文が長くなることがある。 ・極端な省略が混ざることがある。 |
例えば、イベントなどでは、よく主催者が挨拶をされます。
そんなとき、「ぜひ、近未来のソリューションを・・」などと概念的な話を聞くことがあります。
表現は少し柔らかいケースも多いのですが、何か良いことを言おうとして、自分の思考的な言語を使ってしまう。
聴衆はわりとポカンとして聞いている。
そうしたケースが、しばしばあるのです。
もちろん、日常や仕事の場面で、自分の思考やアイデアを語ることは、誰しもよくあります。
ただし、話し慣れていない人は、ここまでご紹介したような内言的な表現(自分には分かるけど、他人には伝わりづらい表現)が混ざりがちです。
結果的に、何か独り言を言っているような、聴衆と噛み合わないままで、話が終わってしまう。
話を終えた人自身も「やっぱり、人前で話すことは自分に合っていないな」と、苦手意識を持ってしまう。
ただ、それは一般の聴衆向けの「言葉の技術」を学ぶだけで、変わっていけることなのです。
ぜひ、他者に伝わる話し方を、あらためて学んでみてください。