脳の情報処理タイプとして、同時処理と、継次処理があります。
近年、教育や発達支援の現場などで、しばしば用いられる概念です。
その特徴や、話し方の苦手との関連性を、この記事でご紹介します。
「同時処理」と「継次処理」の特徴
同時処理(全体から部分へ)
物事を最初にまとまりで捉え、細部に意識を移します。同時に複数のことを考えたり、物事の関係性を捉えることが得意です。
文字を書くときも、一つ一つを絵のように捉え、全体のバランスから見ます。その後、文字を書いていきます。なお、幼いころは書き順が違うことがあると言われます。それは、一つ一つを順序立てて、細やかに取り組むことが、苦手なためです。
継次処理(部分から全体へ)
コツコツと順序立てて取り組み、それから全体を把握します。もともと、細かな部分も丁寧な作業が得意です。文字も書き順に沿って学び、それから字の全体像を把握します。一方で、同時に物事を進めることや、全体を見渡してから物事を考えることは苦手です。
どちらのタイプ?
社会人になると、わりと同時も継次も、業務上で対応しなくてはなりません。
慣れている場合は、どちらが優位かは分かりづらいことがあります。
その場合、子供の頃の得意、不得意で考えると、自分のもともとの性質を把握しやすいです。
話し方に現れる特徴と対策
同時処理が優位な場合
雑談や司会などをする際、話す順番を臨機応変に変えるなどの対応ができます。
ただし、長い話を順序立てて取組むことは、もともと苦手です。
そのため、スピーチや説明会、プレゼンテーション、講義などで、長い話を構築的に丁寧に話す練習が、効果的なケースがあります。
継次処理が優位な場合
順序立てて考えるので、長い話もじっくりと考えることができます。
ただ、俯瞰しながら長い部分をカットすることや、程よい情報量に加工することが、苦手なことがあります。
また、「即興で話すこと」も苦手な方が多いです。
対策としては、「情報の全体像を捉えるトレーニング(抽象化の練習)」をしながら、「情報を詰め込まないで、まとめる技術」を学ぶこと。
こうした練習は、即興で話すための力を伸ばすことにも繋がります。
まとめ、補足
以上のように、自分の情報処理の性質に合わせて、学ぶことの焦点を絞ると、上達が早くなります。
なお、社会人が現状を分析するなら、
「プレゼンの場面では継次処理が欠けていた。丹念に経過を話せていない」
「会議で司会をする際に、同時処理が不足していた。臨機応変に不要な話をカットすれば良かった」
といったように、場面ごとに自分を省みると、欠けている要素が分かりやすいです。
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