公開日: 2021年9月7日

ここでの「良いことを言おうとする」とは、話に「何らかの価値を上乗せ」してしまうことです。

話の苦手意識を持っている人から、

「ついつい、良いことを言って話に情報を足してしまうんです」

「気の利いたことを言おうとして、話がゴチャゴチャになります」

などといったお悩みをお聞きします。

良いことを言おうとするけど、話自体にはマイナスに働くことがある、ということです。

スピーチだと以下の文例のようになります。

文例

私が愛用するフライパンについて話をします。

~中略~

…このように、デザインはよくないのですが、性能はよいのです。

道具も人間も見た目ではないと分かりました。

探し続けていると、ニーズを満たす道具が見つかるものです。

皆さんも、自分に合った道具が見つかると良いですね。

下線部は、話の価値を盛りたくて、思いついたことを加えた部分。

実は、下線部をカットしても十分な話として通用することがあります。

文例

私が愛用するフライパンについて話をします。

~中略~

…このように、デザインはよくないのですが、性能はよいのです。

探し続けていると、ニーズを満たす道具が見つかるものです。

皆さんも、自分に合った道具が見つかると良いですね。

別に、こちらでも十分な話です。

例えば、価値の上乗せを「説明」「会議」「スピーチ」「プレゼンテーション」などでやると、以下のような事態が起きます。

  • ・説明をして、良くわからないといった反応をもらう。
  • ・会議の意見で、周囲を十分に説得できない。
  • ・人前でスピーチやプレゼンテーションをしていて、聞き手が不思議な顔をする。

話すご本人は、悪気があって、やっているわけではないのです。

私がカウンセリングをしてきた経験では、「話すことが不安」な人ほど、良いことを言おうとする傾向があると感じます。

確かに、価値のある説明やスピーチを聞けると、相手が「良い時間を過ごせたな」と感じます。

しかし実は、価値を上乗せするのではなく、きちんと的を絞った話をすることがベースとなるのです。

情報を伝えるために本当に必要なのは、「結論までの道筋がブレずに、話せるチカラ」です。

途中で色々と思いつきますが、頭で「これは、この話の道筋から離れるな」と判断したら、カットをします。

すると、伝えることがあいまいではない、洗練された印象の話になります。

普段から、一つ一つのことをじっくりと伝えようとしているか。

原稿と向き合って、見つめ直してみるのもお勧めです。


この記事について

【執筆者】古垣博康
【略歴】株式会社ワクリ代表。NHK(総合、Eテレ)の番組制作や番組サイト運営に携わりながら、話し方教室で講師を5年間担当。
現在は話し方のプロアドバイザーとして、レッスンやカウンセリングを開催。
産業カウンセラー、認知行動心理士(認知行動療法カウンセラー)。家族は妻と子、猫2匹。
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