昇格試験(昇進試験)に「分析発表演習(Analysis & Presentation)」を導入する企業が増えています。当会の受講者からも「昔は無かったけど、近年導入されたんです・・」という声もお聞きします。
背景としては社会の変化に対応する管理職の自律性が必要とされることや、演習がロールプレイの役割を果たしてマネジメント力や情報リテラシーを評価しやすいことなどが考えられます。
演習内容と取り組み方のコツについてご紹介します。
分析発表演習とは
仮想のケースを元に経営状況を分析して、方針(戦略)をまとめ、発表するものです。
そのプログラム性を反映して「方針立案演習」と呼ばれることもあります。
仮想のケースとは、「改革が必要な○○部門」「成績が低迷している営業所」などです。
受験者は管理職として、改善策を考える役に挑みます。
試験は基本的に以下の2ステップで実施されます。
分析・レポート作成
出題資料には、自社や競合他社、ユーザーに関する情報など、詳細が分かるように記載されています。
それらを元に、情報を分析し、今後の経営方針をまとめたレポート作成までを、規定時間内に行わなくてはなりません。
レポートは、「PowerPointなどのスライドデータ」、あるいは「模造紙」にまとめるケースがあります。
発表
自分自身が管理者の設定で、プレゼンテーションをします。
役員会におけるプレゼンなど、役職に応じて発表の場面も設定されていることが多いです。
役割を意識して、場面にふさわしい、落ち着いた発表の仕方を心がけたいものです。
発表に使われる時間は、1人あたり10~15分というケースが多いです。
評価を見据えて、とくに意識したい点
情報分析力や重点課題の設定力、管理職としてのコミュニケーションスキルなど、様々な点が評価されます。とくに以下の点に注意してみることをお勧めしています。
垂直思考でプランを描く
水平的に「AとBとCの課題に取り組む」などと対策を並記するのではなく、限られた予算やマンパワーを、何に注げば最大の改善策に結びつくのか。
「選択と集中」とも呼ばれますが、資料をもとに適切に情報を選び、効果的な解を導くスキル(=垂直思考)が必要です。
管理職としてチームや部署の舵取りを任せられるだけの、事業センスが問われます。
発表のテクニック
プレゼンの構成イメージを持っておきましょう。また、大切なのは構成のフレームを決めるだけでなく、わかりやすさを意識して、各章におけるコアメッセージを設定し、余計な説明は引き算を心がけることです。
発声についても意識を。伝わりやすい声の大きさや速さを、普段から意識してトレーニングしておきましょう。
それだけでも、管理職らしい印象に近づきます。
また、モジモジ動かす「手クセ」などは避けて、プレゼンにふさわしい落ち着いた基本姿勢を決めて挑みましょう。
こうした発表に慣れていない人にとっては、厳しい試験ではありますが、「自分の伝え方や事業センスを磨き直せる機会」と感じる方も多いです。
ぜひ、本番までにご自身を磨いて、悔いなく挑んでみてください。
当会でも、プレゼンテーションを始め、各種のトレーニングを積んで頂けます。
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